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北東3州=難病ギラン・バレー症候群が急増=悪化すれば呼吸器も麻痺

 バイーア州南部海岸に住むベネジト・カルーゾさん(47)は、ゆっくりとした足取りながら家の前の道を近所のパン屋まであるいた。4月から5月にかけて20日間の入院中、全身が麻痺して歩く事も話す事もできなかった事を思えば大きな前進だ。
 カルーゾさんは今年に入ってバイーア州で見つかった50人の「ギラン・バレー症候群」患者の1人だ。
 同症候群は10万人に1人が発症する難病だが、今年の上半期、ブラジル北東部で急増している。バイーア州のほかにもマラニョン州で14人、パライーバ州で6人の症例が確認された。この拡大傾向はデング熱、チクングンヤ熱、ジカ・ウィルス熱の感染と関連があるとする説も出ている。
 バイーア州の50例中、48件の患者は最近ジカ・ウィルスにかかった疑いがあり、ロベルト・バダロー、バイーア州副保健局長も「診察した限りでは、ギラン・バレー症候群にかかったの多くは最近ウィルス性疾患にもかかっている」とは語る。
 同症候群と、蚊を媒介に感染する感染病との関連性を示す科学的な証拠は発見されていないと保健省は見ている。つまり、これまで同症候群に関する統計は取ってこなかったので資料がない事を示した。
 ギラン・バレー症候群は神経系に影響し、身体の特に両脚に麻痺の症状をおこす。10%ほどの確率だが、さらに悪化すると、呼吸器系臓器の筋肉を麻痺させる。
 「恐ろしい病気ではあるが、まだ人口比率で見た場合に罹患する確率は低い」と感染症学専門のセウシ・ヌネス医師は語った。