連邦政府が22日に発表した基礎的財政収支の黒字目標の減少を受けて23日、為替相場が強く反応し、1ドルが3・291レアルまであがるドル高を記録した。24日付伯字紙が報じている。黒字目標を国内総生産の1・13%から0・15%へ、事実上のゼロに引き下げたことに対し、市場は敏感に反応した。
金融市場でレアルは新興国の通貨の中で最も価値が下がり、ドルは前日比で1・91%上がり、1ドル=3・288レアル、一般市場で2・16%上がって1ドル=3・296レアル、トータルで1ドル=3・291レアルとなった。今年の3月19日以来のレアル安となった。
サンパウロ証券取引所の株価指数(Ibovespa)も2・18%下がって49・806ポイントとなった。3月15日の大抗議行動の翌日、3月16日以来の安値。
この原因は、国内的にはラヴァ・ジャット作戦の進展による経済不信の増大、財政収支の黒字目標が引き下げられたことで「緊縮財政達成が困難」との観測が強まったことが挙げられる。
国外的には、米国の連邦準備制度理事会(FRB)が年内に短期金利の引き上げを開始する流れが確実視され、資金が米国に還流しそうな金融環境がある。
ブラジルがもっとも恐れているのは投資格付けの格下げだ。ブラジルは2008年以来、「優良投資国」と見なされてきたが、米国の投資会社ムーディーズの格付けがあと1ランク落ちれば「注意が必要な国」になる。