ブラジル日本都道府県連合会(本橋幹久会長)が主催の『第18回日本祭り』が、サンパウロ市サンパウロ・エキスポセンターで7月24~26日に行われた。不況の影響等で、開催を危ぶむ声もあった中、3日間で15万人を迎える大盛況だった。「郷土食広場」では44都道府県の約300種類の趣向を凝らした料理の数々、特設ステージでは100の演目が披露され、数々の日本文化が来場者を楽しませた。
25日午前11時から始まった開会式では県連の本橋会長が「18回目の今回は十八番という言葉に応えるために精一杯の努力をした。初めて日本政府からの支援と参加も行なわれ、大変喜ばしいこと」と挨拶。
梅田邦夫駐伯日本国大使は「この日本祭りが全伯各地の日本祭りの良い手本になり、日本文化の発信の核になっている」と称えた。
ウィリアン・ウー、大田慶子両連邦議員、羽藤ジョージ州議会議員や、日本からは天雲俊夫香川県副知事や宮島昭夫東京都外務長、またスポンサーの日系企業の代表者らも出席した。
メインステージでは三重県より招かれた忍者集団「阿修羅」の手裏剣の実演や身軽に会場を駆け回る姿に客席からは大歓声が上がっていた。フェリッペ・アウカンタラさん(27)は「日本の特撮物が大好きなので、忍者の動きも格好いい」と喜んでいた。
26日は「高齢者広場」で日本将棋連盟より大野八一雄、植山悦行両七段を招き、指導将棋が行なわれた。植山さんは「永い歴史を持つブラジル将棋界に携われて光栄。みなさんしっかりとした手を指している」と当地の将棋レベルに感心していた。
対戦した上村徳生さん(85、鹿児島)は「いい刺激になり、これからの励みにもなる」と満足気な様子だった。
将棋のほか囲碁や、書道、漫画など数々の日本文化の体験コーナーも設置され来場者を楽しませた。
家族で来場したフェリッペ・ブーラさん(17)は「以前から日本文化に興味があったが、新しい発見ばかりで驚いた。ますます日本が好きになった」と笑顔で話した。
3日間を総括して、山田康夫実行委員長は「目標は日本文化を伝えること。若いブラジル人が多く来てくれたことは大変喜ばしい」とやり切ったという表情で話した。
【大耳小耳】
来場者15万人という巨大な祭りを陰で支えているのは、日本文化を愛する約700人のボランティア達だ。今回は非日系人も多く、会場の設営や案内など多岐に渡って活躍した。ジェシカ・ベイショートさん(21)は「大好きな日本文化が広まることは自分にとっても幸せだから」と、せっせと会場のあと片づけをこなしていた。山田会長の願い通り、日本祭りをきっかけに彼女のような人が増えていることを信じたい。
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滋賀県人会では、生産者の島田一家勢ぞろいで本紙でも扱っているレジストロ産紅茶「おばあ茶ん」を販売していた。昨年11月、茶産業を守るために島田梅さんが立ち上げたばかりの新銘柄だ。紅茶の消費量が少ない当地での販路開拓は困難だったが、「この前はNHKが取材に来てくれた。10月に放送されるって」と娘のエリザベッチさんが嬉々として報告。梅さんは「お蔭様でよく売れるようになった。これからも頑張れるだけ頑張りますよ」とまだまだ熱意に燃えている。
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カニかまぼこの生産で有名なMGSフーズは枝豆の試食を実施。同社のアウグスト・ヤシマさんによると、最近は枝豆を健康食としてスナックや料理の前菜として食べるのが人気とか。居酒屋の流行とも関係がありそうだ。ちなみに同社の枝豆はタイ産で、茹でたものを冷凍して販売している。販売量は月約1200キロ、売り上げは前年比で8割アップという。「色が鮮やかだし、ブラジルにはない食べ方を気に入っているのでは。子どもにも好評です」とか。