緊縮財政を強いられている政府が、相続・贈与税(ITCMD)の増税を検討していると、27日付フォーリャ紙が報じた。
財産相続の予定がある人からは、ITCMD増税の動向に注意が集まっている。具体的な法改正の動きはまだ起きていないが、弁護士事務所等は敏感に変化を感じ取っている。ブラジルの資産家は、世界屈指の低い相続税率8%を謳歌しており、増税の噂を前に相続手続きを前倒しする人が増えている。
「生前贈与を検討し、その手続きを急いでいる世帯もある」と弁護士のサミール・ショアイビ氏は語り、サンパウロ州財務局は6月のITCMDによる税収は前年比2・4倍になったと発表した。
専門家が勧めるのは、「生きている間に財産の使用の権利は自分で保ちつつ、子供に贈与する」というものだ。
ITCMD増税が仮に今年の下半期に議会で承認されたとしても、その法が公布されるのは16年からの事。公布から実際の徴収まで90日の期間があるため、まだ増税を避けての生前贈与手続きの時間はある。
コンサルタント会社EY発表の各国相続税率はブラジルと、他の国々との相続税率の違いを浮き彫りにした。日本は55%、米国は40%、チリもブラジルの4倍以上の35%だ。豪州、英国、ノルウェーでは相続税こそないが、所得税率が高くなっている。
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