世界トップシェアを誇る自転車の総合メーカー「シマノ」が、第2の事業柱である釣具の販売を当地で強化するべく日本祭りに初出展、自転車部品や釣具の紹介を行なった。
1921年に大阪府堺市で創業。自転車用部品はプロのレースチームにも愛用されるなど、高性能で耐久性に優れた世界的ブランドだ。当地では30年以上も前から日本・中国・シンガポールなどにある工場から自転車の部品を輸入しており、2007年には中南米地域を統括する会社をサンパウロ市に設立した。競技用・スポーツ自転車の中枢部品である駆動系、制御系部品で世界、ブラジル市場ともに高いシェアを誇る。
釣具の総合メーカーとしても世界展開しており、当地では代理店が米国のシマノ支社から商品を仕入れ、全伯の釣具店で販売していた。しかし地域によってつれる魚の種類が違うことから、米国の商品では現地の需要に対応しきれなかった。今年からブラジルの状況に合わせて選んだ商品を販売するにあたり、その告知の一環として日本祭りに出展した。
釣具事業では初の駐在員となる湯川敦司ブラジル釣具営業部長(37、和歌山)は、「日本祭りは初めてだが、お客さんがひっきりなしに来てビックリしている」と嬉しい悲鳴を上げる。
ブースの釣具コーナーには同社が販売促進を行なう「HAGANE」コンセプトによって設計されたリールも並び、来場者の関心を集めていた。同コンセプトは「耐久性の高いギア」「動力を効率的に伝える配置と設計」「それらを強固に支える剛性の強いボディ」を兼ね備えたリールを目指す設計思想のことだ。
湯川部長は「シマノと他社製品との違いは耐久性。例えばリールの場合、使用前の感触はどのリールもほぼ似ているが、使い込んでいくと製法や素材の差が出てくる。しっかり作られたものは、いつまでもスムーズな感触が続く」と品質をアピールした。また「ブラジルは市場成長が期待できるエリアなので、これからマーケティングやアフターサービス体制を整えながら、市場拡大を図りたい」と話した。