リオ名物の路面電車「サンタテレーザのボンジ」が27日、4年ぶりに操業を再開した。
リオで「ボンジ」というと、観光名所「ポン・デ・アスカール」をつなぐ通称「ボンジーニョ」と呼ばれるロープウェイが有名だが、もうひとつの「ボンジ」が、リオ市中央部サンタテレーザを走る黄色い車体の古風なチンチン電車だ。
このボンジは、操業を開始したのが1896年と120年近い歴史を誇っている。その車体も昔ながらの小型のスタイルで、以前のものは乗客が窓のないスカスカの車体から線路に足を伸ばせ、外側のあるエストリボ(ペダル)に足をかけられるようになっていた。
しかし2011年8月27日、このボンジは脱線を起こして電信柱に激突した。その衝撃で6人が死亡し、50人が重軽傷を負った。
それからボンジは営業停止となり、線路の工事が行なわれた。この工事で起こった騒音や塵などは住民から不評を買い、工事が長引いたことで苦情も絶えなかった。
だが、このたび、ようやくボンジは再開されることとなり、27日午前11時から運転が再開された。
先日のクルゥーラTV局のニュース番組では、同じ年に起きた東日本大震災ではあっという間に幹線道路が修復されたのに比較して、ブラジルでは平時なのに路面電車1本修復するのに4年もかかると、皮肉たっぷりに報じられていた。
新しくなったボンジは32人までの乗客制限がかかり、さらに外には足が伸ばせないものとなった。
しかも、まだ全線の改修は終了していない。復活したボンジは、ラルゴ・ダ・カリオカ駅からラルゴ・ダ・クルヴェロ駅までわずか900メートルの営業となる。
営業時間は月曜から土曜の11時から16時までで、20分間隔での運転となるという。なお、現時点では「仮再開」の扱いで、正式再開(日時未定)までは料金無料という。
州によると、同路線の改修が最終的に完成するのは2017年の上半期とかなり時間がかかるが、徐々に運行区間を伸ばして行きたいという。
それでも復活した27日の午前には、長年愛されてきたボンジに再び乗れると喜んだ市民が長蛇の列をつくった。