ジウマ大統領は7月30日、大統領府に全国から26州知事と1副知事と4時間にわたる会議を開き、8月から再開される議会で予想される連邦政府の財政を圧迫する〃爆弾法案〃を承認させないよう、党派を超えた協力を求めた。7月31日付伯字紙が報じている。
今回の中心テーマは、来週からの議会で審議される可能性のある、莫大な支出を伴う法案を阻止するよう知事の影響力を行使してほしいという協力依頼だ。
最高裁の違憲判決にも関わらず、異常な低利で放置されているFGTS(勤務年限保障基金)の利子を上げる価値修正案など、クーニャ議長が議題に放り込むと予想される法案は、一般国民には大賛成だが財政を圧迫する大衆迎合型の〃爆弾法案〃といわれ、今から連邦政府の頭痛の種だ。
テメル副大統領も「連邦財政が厳しくなれば、シャワー効果で州財政にも悪影響が出る」との考えを示している。
集まった中には、大統領の罷免提案に積極的な野党側所属の知事も少なくなかった。大統領は「民衆によって民主的に選ばれた」と強調し、さらに「不公正な圧力を乗り越えてみせる」「公約を果たす期限は(任期の)18年まである」と語り、罷免の動きに釘を刺した。
もう一つの中心議題、州ごとに異なる商品サービス流通税(ICMS)を4%に統一化する法案可決と、それで減収する州への補填基金の設立に、大統領は協力を求めた。比率の違う州間で企業誘致などの激しい競争が起きており、統一化を求める声が多かった。
ただし、統一されて減収となる州からは補填が条件として出されており、その財源として在外資産再国内化法案などが検討されている。
この会合の後、労働者党(PT)と密な間柄にあるブラジル共産党(PC Do B)のマラニョン州のフラヴィオ・ディノ知事は、会合中に大統領支持派の知事が、罷免に反対する抗議活動が行なったことを明かした。その一方で、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事は「それが今回の会合の目的ではないから」と、大統領罷免問題への明言を避けた。
会合後、取材を受けたマルコーニ・ぺリロ・ゴイアス州知事(PSDB)やライムンド・コロンボ・サンタカタリーナ州知事(社会民主党・PSDB)は「民主主義、政治と経済の安定、財政調整に関して連邦政府を支持したい」と語っている。
タグ:アウキミン PT PSDB PSD 写真ニュース ジウマ大統領