今般、ニッケイ新聞において、在サンパウロ日本国総領事館の開設百周年特集号を出版されるにあたり、心より感謝の意を表します。当館の百年間の歩みは、常に日系社会の皆様とともにありました。
1908年の笠戸丸のサントス港到着から遅れること7年後の1915年(大正4年)7月28日に在「リオデジャネイロ」帝国総領事館が閉鎖され、在「サンパウロ」帝国総領事館が開設されました。
その後第二次世界大戦中の1942年1月の閉鎖から1951年8月の開設までの9年半の中断を経て、今年めでたく開設百周年を迎えることができました。これまで、当館の活動に御理解と御協力を寄せていただきました、日系社会や在留邦人の皆様、そしてブラジルとサンパウロの皆様に心より御礼申し上げます。
折しも本年は日本とブラジルが修好通商航海条約を調印して120周年の節目の年であります。今日の両国の友好関係のスタートとなった本件条約調印からの120年の歴史を記念して、日伯両国各地で様々な友好記念事業が開催されています。日伯関係120周年、当館開設百周年の記念すべき年に両国の友好関係が一層強化されることを期待しています。
昨年は、安倍総理のブラジル訪問が実現しました。この際に行われた首脳会談で日伯両国関係を戦略的グローバルパートナーシップに引き上げることが合意されました。
また、約50名もの日本企業のトップ等が同行訪問し、ビジネス分野での対話が深まりました。日系社会の皆様からはブラジリア、サンパウロの両地で大歓迎を受け、総理も強い感銘を受けられたものと伺っています。両国の関係がますます緊密なものとなってゆく中、そこに常に日系社会の皆様を通じた絆が存在することは誠に心強いものがあります。
移住が始まって107年、この期間ブラジルの日系社会の皆様は当地で日本代表として様々な分野で御活躍されてきました。そして、日本から来る人や文化を常に温かく迎えていただきました。我々がこの国で快適に仕事や生活ができるのは、みな、これまでの日系社会の皆様の尊い御尽力のおかげです。
在サンパウロ日本国総領事館は次の百年に向かって、日系社会の皆様とともに歩んで行きます。来年2016年はリオ・オリンピック・パラリンピック、その2年後の2018年は日本人移住110周年、2020年には東京オリンピック・パラリンピック、2022年はブラジル独立二百周年と節目の年が続きます。
そして、2016年度中には、世界に先駆けて、このサンパウロに日本発信拠点であるジャパン・ハウス(仮称)も開設の予定です。当館としては、これら両国関係強化の絶好のチャンスを逃さず、日系社会の皆様と協力して、ここサンパウロで日本を発信していきたいと思います。
在サンパウロ日本国総領事館のこの先更なる百年に向けて、皆様の御協力と御支援を賜れれば望外の幸せと存じます。
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