コロニア待望の4公演に臨むため、先月30日からサンパウロ市滞在中の大衆演劇集団「響ファミリー」の座長・響彬斗(ひびき・あきと)さんが、同月31日にリベルダーデ区のレストランで記者会見を行なった。来伯公演は4年ぶりの4回目。
響ファミリーは日系三世でコロニア育ちの彬斗さんが、弟の一真さん、妻の悠嘉さんと共に05年に結成。現在日本全国で年間300公演を行なう人気劇団だ。また実姉は当地でジャパニーズ・ダンスカンパニー「優美」を率いる花柳寿美富浩さんで、太鼓集団「喜楽」と共に今回初共演を飾る。
実姉との共演に対して彬斗さんは、「稽古を通してよい舞台を作っていきたい」と期待を膨らませている。見所は「なんといっても子どもたちを見てもらうこと。コロニアは自分にとって親の様なものだから、〃孫〃の顔を見てもらいたい」と呼びかけた。公演のテーマは「喜怒哀楽」。
長男・一之譲くんと親子初共演となる「母ざんげ」は、自身が「母と共演した思い出の曲」だという。実子に母だと名乗れない哀しい親子の物語だ。長女・悠里伽(ゆりか)ちゃんと次女の梓翠(しすい)ちゃんも出演する。
フィナーレでは、前回公演でも大人気を博した「花魁ショー」を、弟の一真さんと共になんと2体で豪華に楽しく演じきる。さらに「優美」も加わり、総勢20人以上の出演で盛大に花を添える。
また今月5日には、ブルーツリーホテル・モルンビーでチャリティーコンサート(サンタ・クルス病院主催)も実施する。同ファミリーは日本で福祉施設の慰問を続けており、当地でも人々を舞台から勇気づける。彬斗さんは「(苦しんでいる人たちの)力になってあげたい。元気じゃないと自分たちの舞台も見に来ることができないから」と話した。
公演に関する問い合わせはマネージャーの佐藤マリオさん(11・98415・9940)まで。
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久々の里帰り公演とあって張り切っている響ファミリー。座長の彬斗さんは公演前にも関わらず、会見中何度となく「また来年来たい」と漏らしていた。また「国の予算を使って、もっと大人数をつれて来られたら」と、4公演だけでは少し物足りない様子まで。「ブラジルに住む日本人の方々に、魅せる舞台を観てもらいたい」(公式サイトより)との思いで訪日し、劇団に入団。老人ホーム慰問で感じた「心の響」が同団結成の動機となった。彼にとって父母、祖父母世代の多いコロニアは、そんな結成の原点を感じさせる場なのかも。
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