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男性女性、どちらが優位?

 「うちの旦那と付き合ってくれない?」―そんな奇想天外なオファーを、非日系の知り合いから頂いたことがある。コラム子は既婚なので丁重にお断りしたが、「『妾になれ』とは失礼な」と内心憤慨しつつ、強烈なカルチャーショックを受けた▼その男性と筆者は友人で、彼女とは面識がある程度。彼らは夫婦関係を保ちつつも不倫は自由であり、嫉妬心とは縁がないらしい。コラム子に気のある夫を応援しようと思ったのか、夫に頼まれて焼いたおせっかいなのか知らないが、もはや息子に嫁をあてがう母親の行動に近い▼当地の女性はよく「ブラジルはマッショ(男性優位)の国だ」とこぼす。確かに当地の男性は当然の権利とばかりに浮気するし、家庭内暴力の発生率は高いし、別れた後もストーカー化することがよくあるらしい(その逆もあるだろうが)▼でも実は、本当に優位なのは「母性」であって、マッショはその裏返しじゃないかと思ったりもする。その一例が冒頭の夫婦に見られる息子―母親的な関係性だ。一見男性が自由奔放で支配権を持つかに見えて、その実、根底に母のような包み込む愛がある▼母性は相手を肯定し、許し、保護する。それが行き過ぎると支配的になり、相手の自立を妨げる。40を超えても母の愛情を奪い合う〃子ども〃の話、母や妻の収入に頼って働きたがらない男性の話、何年もの浮気の末に妻の元に舞い戻る夫の話は山ほどある。ブラジルの一般家庭における父親の存在感は、母親に全く及ばないという印象だ▼男性優位は「甘え」の結果で、実は女性優位なのがブラジル。男性の皆さんはどう思われますか? (阿)