ドル高＝１ドル３・５レ到達目前＝来年４レと予想の金融機関も

　ドル高が止まらないことから、金融機関が今年末のドル相場の予測を引き上げていると６日付エスタード紙が報じた。
　５日にドルが０・８４％上昇し、１ドル＝３・４８９レアルで終了した。０３年３月１０日以来の高水準になった。
　最近のドル高傾向はブラジルが政治・経済共に危機に瀕している事が主要因で、市場は政府が緊縮財政法案を議会で通す事を疑問視している。
　同時に、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）のイエレン議長が「年末までに利上げ」発言していることから、投資資金が米国に還流する動きもドル高に影響しているようだ。
　金融複合企業のクレディ・スイスは５日、年末の為替相場のレート予想を、１ドル＝３・４０レから３・６０レに引き上げ、来年末の予想は４・００レとした。
　イタウ銀行も現行の１ドル＝３・２０レとしていた今年末までのレート予想を見直し始めた。
　サンタンデール銀行は１ドル＝３・２０レから３・６０レに変更した。ただし、主席分析員のマウリシオ・モーラン氏は、ドルがこの勢いで上昇するとの見方に釘をさし、「今の相場はすでに、投資家達が政府の緊縮財政の行方に疑念を抱いている事を反映した数値だ」とした。
　国内第２位の民間銀行ブラデスコは現行の１ドル＝３・３０レの予想レートを動かしていない。主席分析員のオクタヴィオ・デ・バロス氏は「このドル高は一過性のもので、今後少しレアル高に戻す」と見ている。