14年に行われた、国家高等教育試験(Enem)の結果が5日に発表された。サンパウロ州を含む南東部の私立校の優位性と共に、数学の点数の低下、結果粉飾の疑いなどの問題が見られた様子を6日付エスタード紙が報じた。
Enemを主催するのは国立教育研究院(Inep・教育省管轄)。中等教育(エンシーノ・メジオ、10~19歳)の生徒の学力を学校ごとに調べるもの。上位に入った学校は次年度の生徒募集が有利になるため、粉飾まがいの集計方法を〃工夫〃するところもあり、問題化している。
平均点、上位校ランク、私立公立の別、生徒の家庭の経済状況、中等教育3年間を同じ学校で受けた生徒の割合(以下「ペルマネンシア」)と合わせて5日に発表された。
州別ランク1位はミナス・ジェライス州で、サンパウロ州は連邦区に抜かれ、5位となった。南東部の成績は若干下降したものの依然他地域を圧倒している。
上位20位までは私立校が独占し、公立校は22位にIfes校(エスピリットサント州)がようやく顔をだした。
科目別で見ると、数学だけが低下し、昨年より33ポイント減の511ポイントを記録した。
フランシスコ・ソアレスInep所長は「試験結果は全体的に満足のいくものだったが、数学のポイントの下降はこれからしっかり要因を分析する必要がある」とした。
全国上位10校の内5校までが、ペルマネンシアが2割に満たない事がわかった。また系列校の成績上位者だけを集めて結果を集計し、「一つの学校」として報告したと疑われるケースがある。
レナート・ジャニーニ・リベイロ教育相は「成績の悪い生徒に試験を受けさせなかったり、中等教育3年目に限って、他の学校、系列校から優秀な生徒を引き抜いてまで、学校としての平均点を上げようとする動きがあるのは残念な事だ」と述べた。
「全ての人に教育を運動」(MTE)プリシーラ・クルス事務局長は「Enemの結果は、回を追うごとに、学校の本質的な教育レベルを反映しなくなっている。またポイントの高い学校に入れれば安心と言うわけではない、校内格差も激しくなっている」と語る。