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世界一目指す“ブラジルのエルヴィス”=本職刑事事件弁護士

 伝説となった世界的歌手の物真似を行なう「トリビュート・アーティスト」はブラジルでも日常でよく見かけるが、「ロックの王様」、エルヴィス・プレスリーのブラジル一のソックリさんが、メリカで世界一をかけてパフォーマンスを披露する。
 そのソックリさんの名はディ・ライト(33)。彼は11日に、エルヴィスの生まれ故郷である、アメリカのメンフィスで行なわれる「究極のエルヴィス・コンテスト」に出演する。そこには全世界から集まったエルヴィスのトリビュート・アーティストたちが集まるが、現時点で残っている24人の準決勝進出者の中で、非英語圏からのエルヴィスは、彼と、桐生大輔という日本からの参加者のみだ。
 もっともディ・ライトは有力な候補のひとりだ。彼は2013年の同大会で上位5人に残り、今年、サウス・カロライナ州で行なわれた別のエルヴィスの大会では、北米からの参加者ばかりの中、堂々と優勝を飾っている。
 そんなディ・ライトだが、普段は、ブラジル南部、リオ・グランデ・ド・スル州で刑事事件を担当する弁護士という、ステージでの華やかな姿と全く別の顔を持っている。そのため、本職に支障を来たさないため、本名は非公表となっている。
 だが、地元でも有名な彼は本職でも顔が知られている。「クライアントに僕がエルヴィスのトリビュート歌手なのを知ってる人もいるし、判事や検事で知ってる人もいる。あるときは公聴会の席で裁判官に“次のショーはいつなの?”なんて聞かれてさ」とディ・ライトはにこやかに語る。
 そんな彼にとって、父親のレコード・コレクションを通じて5歳の頃から憧れているエルヴィスになるのは「威厳に溢れた特別な瞬間」だという。11日の大会で着用する衣装はアメリカ国内で5500ドル、輸入税込みで1万ドルする特別なものだが、「こういう衣装なら9着持ってるよ」とさらりと答えている。
 ディ・ライトは今回のような大会に初めてのブラジル人として出場することに関し、「こうしたことが芸の上での自信になるんだ」と語っている。