ホーム | 日系社会ニュース | 熟ク連=高齢者パワー、益々盛ん=創立40周年、にぎやかに=慰霊法要、功労者表彰も
乾杯の音頭を取る杉本さん(中央)
乾杯の音頭を取る杉本さん(中央)

熟ク連=高齢者パワー、益々盛ん=創立40周年、にぎやかに=慰霊法要、功労者表彰も

 ブラジル日系熟年クラブ連合会(五十嵐司会長)は創立40周年を迎えた。その記念式典が8日午前10時から、同会館で賑やかに行われた。中前隆博在聖総領事、コロニア団体はじめ、ブラジル各地の38の熟年クラブから関係者約100人が参加、節目を共に祝った。

熟ク連メンバーによる舞踊

熟ク連メンバーによる舞踊

 1970年9月にサンパウロ日伯援護協会が中心となり、日系コロニアの老人福祉対策として老人週間を開催したことがきっかけで、続々と各地に老人クラブが誕生した。
 そして1975年「老人クラブ連合会」が設立された。現在は名称を「熟年クラブ連合会」に変更。会員数2700人のうち一世が約80%。
 先没者慰霊法要後、会場の全員が手拍子とともに同クラブの歌「熟年賛歌」を元気よく斉唱。会場の空気も大いに盛り上がった。
 五十嵐会長は「今のように会が育ったのも、初代会長からずっと先輩方が身を削ってくださったおかげ。この心を伝えていくのが私どもの使命」と挨拶した。
 中前総領事は「日系は大変長寿の方が多い。今の日系社会の礎を築かれた方々が元気に活動しておられて有難い」と述べ、援協の菊地義治会長は「活動を我々が手本にさせて頂いている」と話した。
 表彰式では、五十嵐会長から、杉本正、戸田房子氏ら6人に功労賞が授与された。
 最高齢会員の杉本正氏(98、北海道)は「多くの仲間が亡くなってしまったのは悲しいが、周りのみんなが大事にしてくれて有難い」と語った。

手品を披露する与那覇博一さん

手品を披露する与那覇博一さん

 午後からは熟ク連会員による詩吟・舞踊・歌謡・民謡・手品が披露され、会場は拍手と笑いに包まれた。
 歌謡曲を歌った藤本紀子さん(62、二世)は「私は会員の中では年齢が低い方。父と母はすでに他界したが、年配の方達がいてまるで父母と一緒に歌っているような気持ち」と笑顔で話した。
 「岸壁の母」を歌いながら手品を披露して会場を沸かせたJICAシニアボランティア与那覇博一さん(50、沖縄)は、「日本同様、日系社会にも高齢化など多くの課題があるが、日系のお年寄りは力強くてこちらが勇気づけられる。たくさん素晴らしいことを学ばせてもらったので、恩返しがしたい」と語った。


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 2013年に老ク連から名称を変更した熟ク連。五十嵐会長によれば、「自分はまだ若い。老人ではない」と考える高齢者が多いことから、名称変更することで入会への抵抗感を減らすことが目的だったという。同会事務局に聞いてみると、名称変更前は毎年6%ずつ減っていた会員数も、変更後から10%ずつ増加しているようだ。「変化に対応することで入会者を増加させることができた」と笑顔の五十嵐会長。