中国が11日に人民元の対ドル為替レートの算出方法を変更して事実上2%の切り下げを行った事で、ブラジルでも同日の為替市場は、ドル高レアル安で取引が始まったと同日付G1サイトなどが報じた。
ブラジルでのドルは2日連続で安くなり、10日は1ドル=3・44レアルで取引を終えていたが、11日は朝からドル高が進み、11時過ぎには一時、1ドル=3・51レアルを超えた。終値は中銀の介入もあり、1・59%高の1ドル=3・4978レアルで引けた。
ブラジルの為替市場の動きは、中国が11日にドルに対する人民元の為替レートである「基準値」の算出方法を変更すると発表し、基準値を前日より約2%切り下げた事の影響が強いという。
基準値の切り下げは想定外だったため、上海の外国為替市場は一時、2012年9月以来、約3年ぶりの安値水準に急落した。中国人民銀行は市場で取引する人民元を基準値の上下2%以内でコントロールしており、11日の上海為替市場は、市場開設以降で最大となる、前日の終値より1・8%安で取引を終えた。
この数字を、今年の人民元は最高で0・16%しか下落していなかった事と比べると、基準値の算出方法変更の衝撃がいかに大きかったかが推測できる。人民元の切り下げは中国国内の経済指数の悪化や輸出の縮小などを受けたもので、中国は7月24日に、貿易促進策の一環として人民元の変動幅を拡大するとの方針を表明していた。
人民元切り下げ後、世界各地の証券市場は東京で0・42%、ソウルで0・82%、シンガポールで1・36%、シドニーで0・65%など、それぞれ下落。中国と交易関係が深く、コモディティ価格と連動しやすい国の通貨(豪ドルやユーロ)は同日、対ドルでの価値が急落したが、南米でも、ブラジルのレアルやチリのペソなどは同様の結果となる能性が強い。
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