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ブレーノが出所後復活=ドイツでの放火事件乗り越え

 9日のサッカーの全国選手権で、サンパウロのディフェンダー、ブレーノ(25)が、モルンビ・スタジアムでの対コリンチャンス戦に出場。刑務所服役からの出所後、自身4年ぶりとなる公式戦出場を果たした。
 1989年生まれのブレーノは、18歳のシーズンとなった2007年にサンパウロでレギュラーとなり、同チームの全国選手権制覇に貢献した。その活躍を認められ、2008年には10代にしてU―23セレソンにも選ばれ、北京五輪での銅メダル獲得にも貢献。「未来のセレソンの主力」と見る向きも多かった。
 ブレーノは同2008年にドイツの名門、バイエルン・ミュンヘンに移籍し、前途は洋々に見えた。しかし、世界の名門のレベルは高く、トップチームに入れないまま、ニュルンベルクにレンタル移籍で出されたが、ここでも故障したりして、思った成績が残せなかった。
 ブレーノは2010年にバイエルンに戻されるも、出番は少ないままだった。そんな矢先の2011年9月24日、ブレーノはミュンヘンの自宅に放火した容疑で逮捕された。酒に泥酔した上での行為だった。
 これにより2012年7月、ドイツの裁判所から3年9カ月の実刑判決が下り、さらに出所後のドイツ強制出国も言い渡された。
 ブレーノは刑務所内では模範囚であったため、2014年の12月13日に出所し、ブラジルに帰国した。古巣のサンパウロに戻ることは、服役中の2012年末に決まり、帰国後間がない2014年12月19日にサンパウロFCの選手として正式に紹介された。
 そして、その8カ月後の今月9日、本拠地モルンビでの対コリンチャンスの後半13分にブレーノは遂にピッチに戻ってきた。バイエルン時代の11年4月以来、3年4カ月ぶりの公式戦出場だった。1―1で終わったこの試合に彼は最後まで出場した。
 「もう、最高に感激している。僕がどれだけ苦しんだかは妻も息子も知っている。とにかく必死に努力をし、絶対にカムバックするんだと心に誓っていたんだ」と、ブレーノは試合後に語った。
 かつてはやんちゃで知られたブレーノだが、現在は酒も飲まず、「息子にとって、良い模範でありたい」と語っている。
 サンパウロのオゾーリオ監督は、ブレーノに本職のセンターバック以外にボランチもやってもらいたいと願い、ブレーノ本人もそれを意気に感じて練習を行っている。
 まだ25歳。今後のさらなる成長に期待したい。