国家電力庁は現在、電気代の請求書に提示される赤のバンデイラ(旗)の追徴料金を18%切り下げる事を検討しており、一般家庭の電気代が2%程度安くなる可能性があると14日付エスタード紙などが報じた。
赤旗の追徴料金切り下げの検討は、21カ所の火力発電所の運転を8日に停止した事をきっかけに始まった。
赤旗は火力発電多用でメガワットあたりの発電コストが388レアル以上の時に適用され、通常の電気料金に、100キロワット/時あたり5・5レアルが追徴される。メガワットあたりの発電コストが200~388レアルの時は黄旗で、同2・50レアルが追徴される。水力発電のみなら緑の旗が適用される。
火力発電は水力発電より発電コストが高いが、近年は南東、北東伯を中心とした雨不足のため、全国133カ所の火力発電所がフル稼働という事態が続いていた。
発電コストが特に高い火力発電所21カ所の運転停止は、7月の雨が順調だった事と景気後退による電力需要低下が原因だ。21の発電所は約2千メガワットの電力をメガワット/時あたり600レアルかけて生産しており、運転停止による今年の経費削減額は55億レアルに上る。その他にも8カ所が8月8日以前に運転を停止しており、現在も稼動中の火力発電所は104カ所だ。
現在のレベルでは黄旗適用は無理なため、国民の電気代の負担を減らすべく、国家電力庁は13日、追徴額を5・5レアルから4・5レアルに切り下げる案について、24日までの期間限定で国民の声を聞く事にした。この金額だと、年末までの電力会社の収入は現行維持の場合より17億レアル減るが、一般消費者向けの電気代は、約2%安くなる見込みだ。
中央/南東伯の7日現在の水力発電所の貯水ダムの水位は昨年同日を上回っているが、同地域の8月の降水量は平均以下のため、一部識者からは火力発電所の運転停止で貯水水位が低下する事を懸念する声も出ている。
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