13日、連邦最高裁と高等選挙裁判所がそれぞれ、ジウマ大統領(労働者党・PT)に対するエドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)や、民主運動党(PSDB)が進める罷免の動きを弱めるような判断を下した。14日付伯字紙が報じた。
昨日付で報じた、連邦会計検査院(TUC)がジウマ大統領に15日間の猶予を与え、連邦政府の14年度会計についての説明をするよう求めたことは、ジウマ大統領の罷免への動きを緩和する可能性を持っているが、13日はその流れに司法機関が加わった。
まず、連邦最高裁のルイス・ロベルト・バローゾ判事は、下院が先週、過去4政権の連邦政府の会計報告を承認したことに関し、会計報告は両院が合同で審議すべきとして、上下両院が別々に扱うことを禁じた。
これは、クーニャ議長が4政権の会計報告を緊急の議題として承認したため、両院予算委員会委員長のロゼ・デ・フレイタス上議(PMDB)が「投票は両院合同で行うべき」で、下院のみの審議は違憲だと最高裁に訴えたもので、ロゼ上議の主張をバローゾ判事が認めた形となった。
ジウマ大統領を罷免に持ち込みたい勢力にとって、粉飾会計疑惑のある14年度の連邦政府会計を議会が拒否することが罷免請求のための最低条件だが、レナン上院議長は既に、その審議を遅らせることをほのめかしている。ロゼ上議もレナン派のひとりだ。
一方、高等選挙裁判所は、PSDBが同裁判所にジウマ大統領とミシェル・テメル副大統領(PMDB)に対する任期剥奪を求めた訴えの審理を一時中断した。
PSDBは、ジウマ大統領が選挙キャンペーン中に経済的また政治的に現職ゆえの権力を濫用したことと、選挙資金にラヴァ・ジャット作戦絡みの賄賂が使われている疑惑があることを理由に選挙裁判所に厳密な審理を行うよう訴えていた。
この件では既に、ジウマール・メンデス判事、ジョアン・オターヴィオ・デ・ノローニャ判事が、審理開始を認める票を投じた。メンデス判事はラヴァ・ジャットでの違法政治献金疑惑について明らかにする必要を訴え、「当裁判所は国が泥棒集団になりさがるのを許すわけにはいけない」「TCUでの大統領説明の期間延長は談合のように見える」と語った。
マリア・テレーザ・モウラ報告官は「PSDB側の証拠は不十分」としたが、ルイス・フックス判事が「(昨年12月に)PTの選挙資金の監査を行った際は通過している」と主張した上で、もう少し時間をかけて報告内容を吟味したいと申し出たため、この件に関する審理は一時的に中断されることになった。
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