連邦政府は、財政難を理由に、ここ数年は8月に行っていた、年金生活者への社会保険院(INSS)からの13カ月給の半分の前払いを行わないことにした。15日付伯字紙が報じている。
エスタード紙の報道によると、この決定はジョアキン・レヴィ財務相が行ったもので、その理由は、ここ数カ月の財政収支が不調で予算が割けないためだという。この件に関してはカルロス・ガバス社会保険相(労働者党・PT)は反対していたという。
年金生活者への13カ月給の半分の前払いに法的強制力はない。だが、これは2006年に当時のルーラ大統領が中央労組との取り決めではじめたことで、以来9年間、8月に支払われていた。
この前払いは、通常11~12月に支払われる13カ月給の50%が8月に支払われるもので、2014年度の場合、139億レアルが8月に支払われ、全国で約2700万人の年金や恩給の受給者がその恩恵にあずかった。
この決定に不服を示すガバス社会保険相は先週既に、年金生活者関連の代表たちと会議を行い、8月は13カ月給の前払いは行われそうにないと伝えてあるという。
全国年金生活者組合のジョアン・イノセンチーニ会長は連邦政府側の決断に関し、「年金生活者たちは、8月の前払い分をあてにして融資を受けたり買い物をしたりするのに慣れている。この慣習が崩れれば混乱が起きるのは必至だ」と懸念を述べている。
同組合は8月の前払いを確実にするための方法を探るため、17日に連邦最高裁判所に出向き、ジウマール・メンデス判事と会談を行っている。