17日午後10時30分より、ブラジルを代表する女性司会者、シューシャ(52)が専属テレビ局移籍後、初の番組「シューシャ・メネゲル」がスタートする。
シューシャと言えば、ブラジルのテレビ界ではこの30年、常に10本の指に入る有名人だ。彼女は80年代に最大局グローボで子供番組の司会を担当し、それが社会現象的大ヒットとなった。その影響はブラジル国内にとどまらず、南米圏やアメリカでも放送されるほどで、番組関連のCDや彼女主演の子供映画は毎年恒例のヒット作になっていた。
また、若い頃はサッカーの王様ペレや「音速の貴公子」アイルトン・セナと交際経験があり、ゴシップにも事欠かなかった。
遂には自身の手によるテーマパークまで成功させ、実業家としても評価されていたシューシャ。だが、40代を過ぎたあたりから人気に陰りが見えはじめ、担当番組の視聴率が低下。グローボが彼女との再契約には乗り気でなくなったために、今年2月に他局への移籍が決定的となった。
移籍のための争奪戦も、「ブラジルTV界史上最大の移籍劇」と呼ばれて注目されたが、採取的に、ブラジル最古参の局、レコルデ局との契約となった。
そんなシューシャの新番組は、「シューシャ・メネゲル」のタイトルで毎週月曜夜の放送となる。新番組はシューシャのトレードマークだった子供番組ではなく、有名人ゲストを迎えたトークがメインとなる。
シューシャは11日に記者会見に応じ、今回の番組開始に際して、2人の業界の大先輩に敬意を捧げた。ひとりはエビ・カマルゴ。2012年に逝去する直前まで、80歳を超えてもテレビ司会を続けていたブラジルTV界の大御所だ。
「私なんてまだエビの爪の垢にさえなれていない。以前、私がエビにそういうことを言ったら、〃もう、慣れてるわよ〃と言ってくれたけど」とシューシャはエビについて語った。この「月曜夜の番組」というのは、かつてエビの名物番組が放送されていた時間帯であり、そのことについても、「エビが〃私が見守っているからね〃と支えてくれているよう」と語っている。
また、もうひとりシューシャが名をあげたのがシャクリーニャ(1917~88)だ。シャクリーニャは若者向けの歌番組などを担当、50~70代時にひときわ派手なメガネと衣装を着た姿で話題を呼び、国内では今や伝記ミュージカルが作られるほど伝説的な人物だ。シューシャは彼について、「生前に〃君なら僕の後継者になれるよ〃と言ってくれた」とのエピソードを明かしている。
「子供たちの女王」から、ブラジルTV界の伝説の司会者へ。シューシャがそうした道を進むためには、この番組の成功に命運がかかっているとも言えそうだ。(17日付ジアリオ・サンパウロより)