青年技術者がものづくりの腕を競う「第43回技能五輪国際大会」が12~16日、サンパウロ市で開催された。日本勢は5種目で金メダルを獲得し、昨年の4位を上回る3位に入る健闘を見せた。総メダル数は13個(銀3、銅5)。
17日午前、在聖総領事館へ結果報告に訪れたメダリスト16人に対し、中前隆博総領事は「気候や言葉、時差はもちろん、機材や審査基準など違いがあったかもしれない。ハンデを乗り越えて目覚しい成績を残したことと共に、フェアプレーで臨む姿勢を見て感動した」と称えた。
また「観戦したブラジル人も真摯に取り組む皆さんの姿勢に好感をもったはず。日本人の誠実、勤勉さが当地での高評価につながっているものと実感した。胸を張って帰国して」と祝福した。
選手を送り出した中央職業能力開発協会の釜和明会長が総評を述べ、「民族や宗教を越えた交流に喜びを感じる。さらに研鑽を積んでほしい」と期待を込めた。
日本が3連覇を果たした自動車板金部門の清水拓摩さん(22、岐阜)=トヨタ自動車=は、「国際大会はトラブルがつきもの。用意された機材は現地製品で説明書きが英語だったりする。ぶっつけ本番だったが想定内で充分対応できた」と振り返り、「今後は後輩に技術や経験を伝えたい」と抱負を語った。
同様に情報ネットワーク施工部門も6連覇を達成。島瀬竜次さん(22、埼玉)=きんでん=は「アジアなど強豪が揃う中でも日本人の良さを出すことができた」と笑顔。大会中は各国の選手らとバッジを交換し、積極的に交流していた。
女性からも2人のメダリストが生まれた。洋菓子製造部門銅メダルの伊藤美緒さん(21、三重)=中西学園=は「金を取りたかった」と悔しさを見せたが、ビューティーセラピー部門銀の三谷麗奈さん(20、神奈川)=日本エステティック協会=は、「敢闘賞止まりかと思っていたが驚き。前回の8位から2位に入れた」と好成績を喜んだ。
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59カ国から約1200選手が出場した技能五輪。金メダル獲得順位でみると5個の日本は豪州、南チロル、台湾と並ぶ3位タイだった。首位は金12個の韓国でなんと4連覇。2位はブラジル(11個)で初の表彰台に上がったが、日本よりも優位とは思えないような…。ただ過去には日本も、静岡大会(07年)で16個の金を獲得しているので、開催国にとっては好成績を残すチャンスと言えそう。