農業分野の功労者を顕彰する「第45回山本喜誉司賞」の受賞者が決定した。選考委員から山添源二委員長、長井邦夫、常広アルフレッド両副委員長が報告に訪れた。
11月27日午後7時から文協ビル貴賓室(Rua Sao Joaquim, 381)で授与式が行われる。同委員会では賞創設50周年を記念し、記念誌の編纂も進めている。受賞者と選考理由は次の通り(敬称略)。
◎天谷良吾(1954年8月28日、サンパウロ州レジストロ生まれ)。戦後長くお茶の里として名を馳せてきたレジストロで、30年代から製茶工場「天谷」を経営している。最盛期の80年代にあった40以上の工場の中では唯一の生き残り。生産技術の向上により品質を上げ効率化を図るなど、経営努力を続けている。
◎水谷イサム・ペドロ(59年6月29日、サンパウロ州リベイロン・プレット生まれ)。長年に渡りサトウキビ栽培に尽力。環境整備や融資による小農支援にも貢献した。現在はバイオ燃料や砂糖を製造するライゼングループ(コーザンとシェルの合併企業)の副社長と、ピラシカーバ日伯文化体育クラブの会長を務める。
◎野田博(43年1月20日、サンパウロ州ポンペイア生まれ)。現在住むアマゾン地域でトマト栽培に貢献。80年代には湿潤熱帯地域でも生育するトマトの品種改良に努めた。青枯病やバクテリアによる病害に強い「よしまつ種」を開発し、流通ルートの確立にも尽力。国立アマゾン調査研究所(INPA)での経験から自然環境への知見も広く、地元住民の生活環境改善にも貢献した。