今月初旬にサンパウロ市で開かれた「ジャパン&アジアンフードショー」会場の一角には、当地では珍しい食材「銀杏」を紹介する日本人の姿も。「一つ、どうですか」と勧める斉藤功さん(75、二世)の周りには、「どうやって食べるの?」と関心を寄せる非日系が群がった。
サンパウロ州柿生産者協会(APPC)の会員らが栽培しており、目下生産量は100キロ超。「日本から派遣されたJICA農業指導員が10年以上前に持ち込んだイチョウの穂木が、ようやく実を付け出したんですよ」と説明する。
当地では「イチョウ=薬」というイメージが強いものの、試食した客からは「ピスタチオみたい」「ビールや日本酒のつまみに良い」「ウチの店で枝豆の代わりに出したいが、どこに売っているのか」と好評だった。
「将来的には10トンくらい作り、日本に輸出できるようになれば」とすでに目は国外へ。が、居酒屋の流行に乗れば、思いがけない需要の波がやってくるかも? (阿)
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