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メルケル首相をリオ五輪に招待後に写真に納まるジウマ大統領(Lula Marques/Agência PT)
メルケル首相をリオ五輪に招待後に写真に納まるジウマ大統領(Lula Marques/Agência PT)

伯独首脳会談=気候変動では好意的反応=インフラ投資では難色も

 【既報関連】19、20日と来伯中だったドイツのメルケル首相とジウマ大統領は20日、首脳同士ならびに閣僚達も交えた会談を行い、インフラ事業への投資や気候変動問題その他で、両国間の協力、関係強化が非常に大切であるとの見解を明らかにしたと21日付伯字紙が報じた。
 政治的、経済的な危機に直面しているジウマ大統領にとり、今回の会談は、国際的に見た場合のブラジルの信用は揺らいでいないという事を示す意味で重要だった。
 「世界経済の回復が懸念されればされる程、両国の協力は重要になる」との大統領の言葉は、独企業に国内の事業投資に参加するよう呼びかけるという行動に表れた。
 ブラジルで活動中の独企業は1400社とされ、9~10月に入札が予定されている送電事業や、6月に発表された総額1984億レアルに上るインフラ整備計画(港湾整備や鉄道事業)への参加が期待されている。ただ、ドイツ側から見ると、ブラジルへの投資には重税や見返り、安全性などの懸念材料があり、「独企業はより明瞭で確実な情報が入手できた場合のみ、ブラジルに投資する」との言葉も返ってきたという。
 会談ではメルコスルと欧州連合(EU)間の自由貿易も話題となり、ジウマ大統領が「メルコスルは年内に具体的な内容を提示できる」と発言すると、メルケル首相も「EUもそれに沿う線で準備する」と応えた。
 他方、12月開催の国連気候変動パリ会議成功を願うメルケル首相は、「ブラジルも、G7が6月に採択した2100年までの地球の気温上昇を2度未満に抑えるとの目標を受け入れる」との大統領発言に賞賛を贈った。ただ、大統領は、6月の訪米時に示した、1200万ヘクタールの森林回復と不法伐採撲滅に言及するに止まった。