【既報関連】連邦検察庁がラヴァ・ジャット作戦(LJ)に関連して20日に最高裁に提出した、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)らに対する起訴状の内容が明らかとなった。クーニャ氏の罪状は収賄と資金洗浄(マネーロンダリング)で、検察は同議長と共に起訴された女性元下議の2人に8千万米ドルの返済を求めていると21日付伯字紙が報じた。
クーニャ氏らに返済が要求された8千万米ドルの内訳は、半分が実際の収賄額で、残りはペトロブラスや公的機関にもたらした損害賠償額だ。
4千万米ドルは、韓国のサムスン社が、ペトロブラス(PB)と入札なしで結んだ2006~07年の石油採掘船契約絡みでトーヨー・セタル社(TS)に支払った金額で、クーニャ氏やPMDBロビイストのフェルナンド・バイアーノ被告らに流れたとされている。
TSのジュリオ・カマルゴ被告は7月にパラナ州連邦地裁で、クーニャ氏が500万米ドルの賄賂の支払いを要請したと証言した。それによると、同社が同契約に関する賄賂の支払いを中断した2011年、クーニャ氏がフェルナンド・バイアーノ被告に支払いが遅れていると脅しをかけ、カマルゴ被告と会う機会を作らせ、500万米ドルの支払いを要請したという。クーニャ氏への賄賂は国外送金や現金手渡しといった方法で支払われたが、25万レアルはクーニャ氏が属するアッセンブレイア・デ・デウスの教会の口座にも振り込まれている。
また、当時の下院議員でリオ州リオ・ボニート現市長のソランジェ・アウメイダ氏も、賄賂の支払いを継続させるため、下院の監査委員会にPBとサムスン社との関係を調査するよう要請する書類を提出して圧力をかけたとして、収賄罪で起訴された。クーニャ氏は関与を否定したが、書類はクーニャ氏の執務室のコンピューターで作られ、作成者欄にクーニャ氏の名前が入っている。
ロドリゴ・ジャノー長官はクーニャ氏に対する辞任請求を避けたが、今後、新たな証拠が浮上すればそれもありえる。
また、元大統領のフェルナンド・コーロル上院議員も収賄と資金洗浄疑惑で、共犯とされる他の4人の人物と共に起訴された。コーロル氏は2010~14年にPB子会社のBRディスブイドーラ社との契約で企業に便宜を図り、約300件、計2600万レアルの収賄を行ったとされる。
共に起訴された人物には、コーロル政権の戦略局長官だったペドロ・パウロ・レオーニ・ラモス氏も含まれている。コーロル氏は収賄疑惑で92年に大統領を罷免されたが、2007年から上議をつとめている。
最高裁でLJ問題を担当するのはテオリ・ザヴァスキ判事で、同判事が今回の起訴状を受理すれば、クーニャ氏らは被告となる。
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