ブラジル人女性は出産のとき、半分以上が帝王切開であることは前々から知られていたが、帝王出産の半分以上は、事前に予約されていたことが明らかになった。
21日に地理統計院が発表した全国健康調査(PNS)の最新データによると、2012年1月1日から13年7月27日までのあいだに出産した女性のうち、54・7%は帝王切開による出産で、その53・5%は陣痛がはじまる前に事前予約されていたことがわかった。
世界保健機関(WHO)では帝王切開による出産は15%以下が理想としているが、これは、子供が大きいとか、陣痛が弱いなどの理由でなかなか生まれない場合や、母子共に、またはいずれかが危険な状況にさらされている場合などに限って帝王切開を行う場合の数字だ。アメリカでは帝王切開による出産は約30%、日本では20%と言われている。
ブラジルでも最近は自然分娩を推奨する医師が増えてきたが、統一医療保険システムの利用者では自然分娩が60%を占めるものの、保健プランを利用する場合(私立の病院)は84・6%が帝王切開。自然分娩用の設備は20%のみという産院さえある。
ブラジルは、その割合が60%に達する中国と並び、帝王切開の割合が世界的に高い国として知られている。
帝王切開の場合は、医師や妊婦の都合で、臨月にさえならないうちに出産の日が決められるケースも多いため、国家医療サービス監督庁は今年、帝王切開を行う医師には帝王切開が必要な理由や出産時の経過などを記載した報告書の提出を義務付ける、妊婦の同意書と報告書などを提出しない医師には保健プラン側も手術の経費を払わなくてもよいことにするなど、帝王切開を減らすための新基準を発表した。
今回のPNSの調べによると、ブラジル人女性の50歳以上69歳以下の女性の60%が2年以内に乳がん検診のためのマモグラフィーを受けており、25歳から64歳の女性の79・4%は、最低1度は子宮頸がんの検査を受けている。
そして、18歳から49歳までのブラジル人女性のうち、人生で最低1度は妊娠を経験した人は69・2%いた。また、同じ年齢層の女性の15・2%は流産を経験しており、61・1%は、避妊対策をとっているという。(21日付エスタード紙サイトならびにUOLサイトより)