ホーム | 日系社会ニュース | 母県との絆育み55年=兵庫県人会が節目祝う=井戸知事ら80人超来伯=パラナ州提携45周年も

母県との絆育み55年=兵庫県人会が節目祝う=井戸知事ら80人超来伯=パラナ州提携45周年も

 兵庫県―パラナ州が姉妹提携45周年を迎えた今年、ブラジル兵庫県人会(松下瞳マルリ会長)も創立55周年を迎え、23日に北海道協会で記念式典を開いた。初の二世会長による新体制で最初の創立記念イベント。20年間会長を務め、今年3月に勇退した尾西貞夫さんも実行委員長として運営を支えた。母県からは井戸敏三知事、石川憲幸県議会議長、日伯協会の三野哲治理事長はじめ関係者80人以上が来伯。在聖総領事館の中前隆博総領事や同県出身の芸術家・若林和男さんら総勢約250人出席の下、兵庫、ブラジルの末永い交流と発展を願った。

高齢者一人ひとりに記念品を手渡す井戸知事

高齢者一人ひとりに記念品を手渡す井戸知事

 移民が旅立った神戸港を擁する兵庫県は、今もブラジルと密接な関係を保つ。両者の間には兵庫―パラナ州(70年)、神戸―リオ(69年)など6つの提携関係があり、近年は経済交流も盛んだ。県人会創立式典には例年、母県から100人前後もの慶祝団が訪れる。井戸知事も今回で4回目の来伯となった。
 元海外研修生の松下会長は、「外国に行くのが難しかった時代に貴重な経験をさせてもらった」と謝辞を伝え、「これからも母県との絆を大切に、日伯の掛け橋となれるよう頑張ります」と決意表明した。新役員には制度継続を願う元研修生らが多く参加している。
 井戸知事は20周年を迎えた阪神淡路大震災に対する支援への感謝を改めて表明し、「困難を乗り越え来りブラジルの大地に生きて絆55年」と自作の短歌を披露、「55年を機に更に元気な活動を展開し、日系人活躍のリーダーシップを取ってほしい」と激励した。
 石川県議会議長は移民の苦労と貢献をねぎらい、「どこでも温かく歓迎して下さる皆さんの心に感激した」と初来伯の感動を伝えた。同議長率いる議員団には、「日伯友好議員連盟」から11人の議員が同行した。
 来賓挨拶の後、慶祝団との間で記念品の交換が行なわれた。井戸知事、石川議長から80歳以上の会員14人(11人出席)に表彰状と記念品が贈られたほか、同知事から県連、援協、文協の3団体に寸志が手渡された。最後に県費留学生の弓場さちえさんから代表挨拶もあった。
 なお、20日にはパラナ州都クリチーバで姉妹州県45周年式典が行われ、ベット・リッシャ州知事出席のもと、再生エネルギー利用協力を深める約束などをした。21日には亜国県人会55周年式典参加、22日にはパラグアイ県人会との交流会も行った。


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 兵庫県人会は1960年、外務課移住渡航係長・常塚純一さんが県民の視察に訪れたのを機に発足した。県費留学・技術研修員の選考と派遣、農業高校生の受け入れ等を主な事業としている。戦前戦後で約3千人の県民が当地に移住し、そこから弓場農場の創始者・弓場勇、戦争中に凍結された日本企業資産を解除させた鈴木悌一などの異才を輩出した。