ルーラ前大統領(労働者党・PT)は8月28日、18年の大統領選への再出馬に前向きと取れる発言を行った。だがその一方、囚人服を着せられた人形を伴った同氏への抗議行動も目立っている。8月29、31日付伯字紙が報じている。
ルーラ氏は8月28日朝、ミナス・ジェライス州モンテス・クラーロスのラジオ局「ラジオ・イタチアイア」に出演した。同氏はラヴァ・ジャット作戦(LJ)や経済状態の悪化で失墜したPTのイメージ挽回を図るためのプロモーションをはじめたばかりで、同日夜は同州の中央労組と学生連合がベロ・オリゾンテで行う集会に参加する予定があった。
ルーラ氏は番組中、18年の大統領選について尋ねられ、「できれば他の候補がいいのだが」と前置きしつつも「もし、私が出馬する必要があるのならそうするよ。野党に勝たすわけにはいかないからな」と語った。
その野党とは民主社会党(PSDB)のことで、「教育や社会のことを憂えず、国の3分の1の人のことしか考えない政党は政権に戻るべきではない」と批判した。
また、「選挙を前倒しで行うのは許されない。1964年の軍事クーデターを覚えている国民はそれを認めない」とも答えた。
ただ、LJでの汚職へのPT関係者の関与については罪を認め、「PTは声なき人が政治に参加できるよう門戸を開いた。ただ、PTは大きくなりすぎて他の政党のようになったところがある」と語った。だが、LJそのものに関しては「知らなかった」とこれまでの主張を続けた。
だが、その道のりはこれまでのようには容易ではなさそうだ。ルーラ氏がその夜参加した集会では、約150人もの反PT派が乱入し、混乱が起きた。
同じ8月28日にサンパウロ市の御茶ノ水橋では、同16日のマニフェスタソン(抗議行動)の時に登場したルーラ氏に囚人服を着せた高さ15メートルの人形が抗議活動の一環として飾られた。この人形はPTシンパの学生がカッターで切りつけたために空気が抜けたが、2日後の8月30日のパウリスタ大通りでのPTやルーラ氏への抗議活動にも再登場。同日も、PT支持者と反PT派との小競り合いなどが起きた。
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