連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官が、高等選挙裁判所(TSE)のジウマール・メンデス判事が出した、ジウマ大統領(労働者党・PT)の14年大統領選の会計報告書の調査願いをお蔵入りさせたことが明らかになり、メンデス判事のジャノー長官への不満が高まっている。8月30日、9月1日付伯字紙が報じている。
ジャノー長官は、8月13日にメンデス判事が出した、ジウマ陣営が選挙時に契約した印刷会社の一つのVTBP社の調査願いを、その日の内にお蔵入りさせることを決めていたことが8月29日に明らかになった。
ジャノー長官はメンデス判事に当てた文書で、「選挙に関する騒動を長長引かせて社会をかどわかすべきではない。当選者は特権を得るべきで、落選者は次の選挙の準備をすべきだ」とした。
TSEは現在、民主社会党(PSDB)のアエシオ・ネーヴェス氏から受けた、「大統領・副大統領の任期剥奪」を含むジウマ氏の昨年の大統領選に関する四つの訴状を審議中で、8月13日からはじまったジウマ氏のキャンペーン違反に関する訴状の一つは、同25日までの判事投票で「審理継続」に賛成が4、反対が1(判事総員7人)となり、「継続」が有利となっていた。
だが、ジャノー長官は今回の文書の中で、メンデス氏を含むTSE判事たちが、ジウマ大統領の選挙資金に関し、昨年12月に「違法性なし」と判断したにも関わらず、再び調査を行おうとしていることに対して、「TSEの不都合を棚にあげた」とした上で、「選挙の主役は候補者と選挙民であり、TSEや選挙検察が〃民主主義のドラマ〃に酔って極端な判断を導きかねないことを懸念する」とも綴った。
この文書に対し、メンデス判事は8月31日、「検察は市会議員や連邦議員、市長、州知事には任期剥奪の要請を出すくせに、大統領だといいのか」と反論。更に「お蔵入りの文書が書かれた8月13日の〃13〃というのはPTの政党番号。余りにも出来すぎた偶然だ」と皮肉った。
その一方、TSEで現在審理中のジウマ氏の選挙違反を問うアエシオ氏からの訴状の報告官で、一度はお蔵入りを決めていたマリア・テレーザ判事は、昨年のアエシオ氏の大統領選の資金報告には15の違反が見うけられると指摘している。