【既報関連】来年度予算が305億レアルの赤字になると、敢えて公開に踏み切ったジウマ大統領は、厳しい現実を議会に見せることで、今後、新税、増税、社会政策費削減に対し議会の理解を求めていく模様だと1日付伯字紙が報じた。
赤字予算提出の報に対する市場の反応は早かった。8月31日のBovespaは1・12%下落し、レアルも対米ドル1・4%安の1ドル3・633レアルで同日の取引を終えた。
政府は現実的で透明度の高い試算に基づいて予算を編成したとしているが、来年の国民総生産(GDP)は0・2%成長との政府試算に対し、市場関係者は0・5%マイナス成長の予想と開きがある。
305億レアルの赤字は、景気後退による税収減と、金融取引暫定納付金(通称銀行小切手税・CPMF)の復活に議会の理解が得られなかったことが主要因となっている。ジウマ政権の経済閣僚らは今後、上下両院の協力で、保健医療部門専門に振り分けられ、連邦政府、各州、各市と分けられる、CPMFに類似の税金が創設される事に期待している。
ネルソン・バルボーザ企画相は「赤字を削減する方法はたくさんある。一致団結して歳入増加と歳出削減の道を探る事が肝要」と語り、ジョアキン・レヴィ財相は「社会全体が当事者意識を持って対話に参加すれば難しい方程式も解けると信じている。格付け会社だけではなく、全国民が解決策を見出すのを助けてくれるはずだ」と語った。
予算案に盛り込まれた歳入拡大策の詳細は1日に発表される予定だが、その中には、情報機器へのPIS(社会統合基金)とCofins(保険融資納付金)の免除見直しが含まれている。また、インフラ整備のための社会開発銀行からの融資への金融取引税や肖像権収入への所得税、ワインや蒸留酒(国産品と輸入品)の工業製品税などの免除も見直す予定だ。
来年度予算案には、経済活性化計画(PAC)や、国境なき科学、技術教育と雇用へのアクセス国家計画といった看板プロジェクトへの支出削減も盛り込まれている。
今回の予算案に対する野党側の反応は、厳しいものだった。民主社会党(PSDB)や、民主党(DEM)を中心とする野党勢力は、赤字予算は財政責任法(LFR)に抵触すると非難した。
野党側は連邦最高裁にこの予算案はLFRに抵触していると訴えると共に、レナン・カリェイロス上院議長(民主運動党・PMDB)に予算案を付き返すように圧力をかけていく構えだ。
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