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2日は1ドル3・77レ=ドル高に歯止めかからず

 連邦政府が8月31日に赤字予算案を提出して以来、ドル高レアル安傾向に歯止めがかからず、2日の午後4時6分には2002年12月13日に1ドル=3・7750レアルを記録して以来の最高値となる1ドル=3・7721レアルまで進んだと2日付G1サイトなどが報じた。
 赤字予算の提出はブラジルが政治的にも経済的にも大変な状況にある事を示唆しており、市場関係者らは、辛うじて「投資資格あり」の範疇に留まっている信用格付が「投資は危険」とされる水準に格下げされる可能性が高まったと見ている。
 赤字予算案の提出などが否定的な反応を呼んで信用格付が引き落とされれば、国内資本の国外流出は不可避で、既にレアル建ての株売却の動きも出ている。
 現在のドル高レアル安は、中国の経済成長が頭打ちになってきた事などで広まった世界的なドル高傾向に国内の不安材料が重なったためで、チリのペソなどは落ち着いた動きを取り戻しているのに、レアル安は継続している。以上関係者らは国内の要因が解決しない限り、ドル高レアル安は続くと見ており、近日中に1ドル=4レの線を越える可能性さえ指摘され始めている。
 ドル高レアル安が進めば輸出業者は有利になるが、輸入品価格の高騰などでインフレ圧力が高まる事も必至だ。景気後退(リセッション)に陥った今、経済基本金利引き上げでインフレを抑制する方法は打ち切りが予想される上、中銀の為替介入にも限界がある。この傾向に歯止めがかからなければ、ブラジル経済が抱える不安材料は益々増える事になる。