インフレや景気後退、失業者増加といった言葉が、基礎的な食品類や衛生用品の買い控えなどといった数字にも表れ、購買力低下が深刻化している様子を3日付伯字紙が報じた。
エスタード紙は、スーパーでの買い物は回数と共に量が減ったとの統計結果を報じた。昨年は買い物の回数が減っても購入量が増えていたが、今年上半期はインフレなどで購買力が落ち、食品や飲料、衛生用品などの必需品は、販売額が不変なのに販売量が昨年同期より約3%落ちた。
購入量が減った主要品目はビール、ロングライフ牛乳、ミネラルウオーター、粉末ジュース、加工乳、発酵乳、砂糖、炭酸飲料で、これだけで購入量減少分の81%を占める。衛生用品ではコロンや口臭防止剤、日焼け止めクリーム、歯ブラシの消費減が目立った。
カンター・ワールドパネルによると、調査品目全体の購入量は昨年同期比8%減だ。価格はこの間、9%上がっており、所得増が価格上昇に追いつかず、購買力が落ちている事が窺われる。消費者がスーパーで買う量が減ったのは、統計開始以来、初めてだという。
フォーリャ紙は、高インフレと失業率上昇による購買力低下の表れの一つに、牛肉より安い鶏肉に乗り換える傾向や輸出不振で、約50の加工場が閉鎖された食肉業界を挙げた。地理統計院(IBGE)によると、食肉加工業を含む食品業界の7月の生産量は、肉の消費減や砂糖の生産減などで前月比6・2%、昨年同月比7・2%減少し、関係者を驚かせた。工業界全体の生産量は前月比で1・5%、昨年同月比で8・9%低下した。
7月に生産低下を見た主な部門は、自動車産業の昨年同期比19・1%(エ紙によれば販売は22・9%)減、情報処理や電気電化、光学機器の同34・8%減などだ。過剰在庫は他部門でも共通の課題で、消費拡大が困難な状況下、工業生産の回復は遅れるとの見方が一段と強まっている。
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