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ビエンナーレ開幕日にモニカとセボリーニャの巨大人形に囲まれるマウリシオ・デ・ソウザ(Tânia Rêgo/Agência Brasil)
ビエンナーレ開幕日にモニカとセボリーニャの巨大人形に囲まれるマウリシオ・デ・ソウザ(Tânia Rêgo/Agência Brasil)

リオ=本のビエンナーレ開幕=「モニカ」作者の記念展を展開

 3日から、リオデジャネイロ市のリオセントロで、2年に1度の本の祭典「本のビエンナーレ」が開催されており、第17回目の今回は、人気漫画「トゥルマ・ダ・モニカ」の作者のマウリシオ・デ・ソウザが大きな目玉となっている。
 マウリシオと言えば、ブラジルで生活していれば誰もが知っている子供向けの漫画「トゥルマ・ダ・モニカ」の作者として有名だ。ブラジル国内では漫画はもちろん、モニカのキャラクターがプリントされた商品も日常的に見られ、グッズ販売も長きにわたり、子供たちのあいだで高い人気を誇っている。
 また、日系人女性と結婚した縁で日系人キャラクターを多く登場させたことが評価され、2013年には旭日小綬章を日本政府から授与された。
 10月で80歳を迎えるソウザだが、今回のビエンナーレでのオメナージェン(トリビュート)は、50年を超える漫画家人生におけるもうひとつの勲章となった。今回のビエンナーレでは、マウリシオの人生にまつわる特別展示場として190平方メートルがさかれている。開催初日には、全国書籍編集者組合(Snel)がジョゼ・オリンピオ賞と呼ばれる文学賞を授与した。
 マウリシオが文学賞を受賞するのは、パウリスタ文学アカデミーに選出されたのに続く。「今回の受賞は、子供向けの漫画が子供の読書への好奇心を高めているということが認知された結果なんだと思う」とマウリシオは喜びを語っている。
 マウリシオは80歳を迎える直前となっても創作意欲旺盛だ。その秘訣を彼は、「読者と触れ合うことでエネルギーをもらい、それが次の物語の創作へとつながっていくんだ。作家冥利に尽きるね」と語っている。
 既に全世界で翻訳され、総売り上げ部数も10億部を突破したマウリシオだが、まだまだ、将来に向けた目標を持っている。「あと3年か4年したら、今度は大人になったモニカの話を世に出したい」と彼は語る。2008年に発表した、10代半ばに成長したモニカたちの「青春編」は現在も続いているが、さらに成長した姿を描くという。「大胆なアイデアだよ。でも、これまでもずっと、全世代に向けて漫画を描いてきたつもりだからね」と、難しさは感じていないようだ。
 このビエンナーレは13日まで開催される。(3日付アジェンシア・ブラジル、フォトス・プブリカスより)