ホーム | コラム | オーリャ! | 指定席のストレス

指定席のストレス

 サッカー場の指定席券を買ってその席に行くと、ほとんどの場合、先に座っている人がいる。
 「その席、僕が―」と言い終わらない内に「連番が取れなかったから座っている。君は空いている隣に座ってもいいよ」と親指立ててニッコリと〃許可〃をくれる。
 「自分が買った席の隣に座っていいかと許可を求めた訳じゃないけどな」と仕方なく座っていると、当然、その席にも買った人が現れる。
 「本当はここに座るつもりはなかったけど、自分の席に人が座っていて…」と、しどろもどろになっていると「別にいいよ」とウィンクされて、彼も別の席に向かった。
 今では慣れっこだが、初めて試合を見る日本人の友人と一緒に行くと、彼が大変なストレスを感じているのが分かる。ガラガラでも決まった席に座ろうとするのが日本人の性分か―。こんな場面でも国民性の違いをしみじみ感じる。(規)