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S&P格付け降格の影響は

メルカダンテ官房長官

メルカダンテ官房長官

 緊縮財政が進まない政治的混迷ぶりから、米国格付け会社S&Pは財政バランス回復に時間がかかるという懸念を強め、通常ありえない赤字予算提出を引き金に、ついにブラジルを投資適格外に降格させた▼今後は更なるレアル安、外国投資引き上げ、国債金利上昇などの悪連鎖による景気後退を予測する筋もある。これは政治的には「財政均衡には待ったなし」圧力として作用しそうだ▼増税か支出削減か―という選択肢でなく、「両方」「できるだけ多く」という『選択肢のない状態』になるかも。今回の格下げは、レヴィ財相には追い風に働くに違いない。政権中枢で蔵相に真っ向から対立し、増税論の中心に陣取るのはメルカダンテ官房長官と企画相と聞く▼ルーラ元大統領が数度「メルカダンテを外せ」と指示したが、ジウマが頑なに守っている相談役的人物と漏れ聞く。庶民派ルーラとは、PT内で対極にいる冷徹なインテリだ▼その彼に対し、10年のサンパウロ州知事選挙の資金に不正があった容疑で捜査か―との報道もあった。もしこの大黒柱が外されれば「ゴベルナ(統治)していない」とテメル副大統領が再三言っている状態が「レームダック(死に体)」へと近づく▼振り返れば、移民百周年の折、ブラジル宝石協会と共に「日伯総合センター建設案」の裏に居たのもメルカダンテ上議(当時)―と当時聞いた。建設費に社会経済開発銀行からの融資も―という話も出ていた。もし建てていたら建設費用を巡って今頃、百周年事業が捜査対象になっていた可能性も…▼怪しき計画として同センター建設案に反対した当時のコロニアには、やはり見識があったかも?! (深)