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同点となるゴールをヘディングで挙げたレナト・アウグスト(右)(Agencia Corinthians)
同点となるゴールをヘディングで挙げたレナト・アウグスト(右)(Agencia Corinthians)

コリンチャンス=霧のイタケーラ=3位グレミオの抵抗激しく

 観客の熱気で湯気が出ているのかと見間違うような深い霧が立ち込めてきた。コリンチャンスの本拠、アレーナ・コリンチャンスは同点ゴールを待ちわびるファンの熱気が一段と高まったところだった。
 首位のコリンチャンスはこの試合、セレソンに選手を供出、イエローカードの累積、怪我などで、あわせて5人のレギュラーメンバーを欠いていた。
 前半から調子の上がらないコリンチャンスに対し、対戦相手のグレミオは後半早々、流れるようなパスワークから1点を先行した。
 欠場しているレギュラーの代役が当てにならず、いつも出ている面子は、中3日の10連戦目で動きが重い。「ならばいっそ」と思ったのかは定かではないが、普段はパス供給役の2人がその時ばかりは、10番のジャジソンが「パスを出す人」、8番のレナトが「パスを受けてシュート決める人」と役割を分担、2人だけで同点ゴールを奪ってしまった。


 残りは25分、まだまだ逆転には充分な時間があるとファンのボルテージもさらに高まる。
 ここで監督チッチがいつもの勝負手、左ウイングを交代させた。精彩を欠いて引き上げる若手の星マウコンに代わって入ったのはリウド。相手の疲れたタイミングでスピードのある選手を入れるのは常套手段だ。
 あたかも、これが効果テキメンと見え、リウドは終了間際に絶好機を作り出したが、シュートは無情にもポストを叩き、試合終了。
 テレビ局の都合で夜10時開始のこの試合、試合が終わったのは12時近くだった。地下鉄に走り、最終電車を乗り継いで自宅近くの駅まで来ると、そこからは恐怖の10分ダッシュが待っている。何回もやってきたこの危険な帰宅路も、今年はこれで最後となった。
 2位チームが勝ったので、一週間前は7ポイントだった勝ち点差もわずか3に縮まった。残りは14試合。1試合も気の抜けない、緊張のトルシーダライフは続く。(規)