10日、連邦警察が最高裁に対し、ルーラ前大統領(労働者党・PT)から、ラヴァ・ジャット作戦に関連した事情聴取を行う許可を求めていたことが明らかとなった。11日付伯字紙サイトが報じている。
9日に投資信託大手のスタンダード&プアーズから信用格付を落とされ、ジウマ政権に激震が走った直後、ルーラ前大統領にラヴァ・ジャットの捜査が及ぶ可能性が生じたことで、PTにとっては立て続けのショックとなった。
この請求を出したのは連警のジョゼーリオ・アゼヴェード・デ・ソウザ警部で、ルーラ氏やPT、ルーラ政権がペトロブラス(PB)関連の汚職で何らかの恩恵を受けていたのではないかとの疑惑について、明らかにしたいとしている。
連警がこの請求を出した根拠としているのは、ラヴァ・ジャットの主犯である闇ブローカーのアルベルト・ユセフ被告、元PB供給部部長のパウロ・ロベルト・コスタ被告らが、「ルーラ氏はPB内の汚職のことを知っていたはずだ」と発言したことだ。この汚職作戦にルーラ氏が直接関与した証拠はない。だが連警は、公社であるPBの資金が連立与党の大物たちに流れていた事実を大統領と無関係とする理由はないと判断した。
連警では、ラヴァ・ジャットの主犯格であるPB役員たちが、当時の連邦政府要人からの推薦で選ばれていたことにも着目している。それにより、役員に政治家に対する個人的な恩義が生まれ、それが汚職への協力を促しやすいものになるためだ。
連警は、既に逮捕されている元官房長官のジョゼ・ジルセウ容疑者や元大統領府政局調整担当長官のイデリ・サウヴァッチ氏、元大統領府総務長官のジルベルト・カルヴァーリョ氏(いずれもPT)、PT現党首のルイ・ファルコン氏、PB元総裁のジョゼ・セルジオ・ガブリエリ氏とジョゼ・エドゥアルド・ドゥットラ氏、ルーラ氏やジウマ氏の選挙キャンペーンの会計だったジョゼ・フィリッピ・ジュニオル氏に対しても同様の請求を行っている。
この請求は10日に最高裁のテオーリ・ザヴァスキ判事に提出されたが、請求の対象となった人物を最高裁に招くか否かはロドリゴ・ジャノー検察庁長官がこの請求に同意するか否かを公表した後に決まる。それだけに、今後はジャノー長官の判断に注目が集まることになる。
アルゼンチンを訪問中のルーラ氏は今回の報道について尋ねられたが、「私は何も聞いていない」として、コメントを避けた。
連警の書類では、ルーラ政権で鉱山動力相や官房長官を歴任し、PB経営審議会議長もつとめたジウマ大統領についても言及があるが、大統領在任中の件ではないため、捜査対象とならないと憲法で定められている。
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