2012年から14年まで川崎フロンターレでプレーし、現在はブラジル全国選手権1部、アヴァイーFCでキャプテンを務めるDFのジェシ(35)を、同チームの本拠地のブラジル南部、サンタカタリーナ州フロリアノポリスに訪ねた。
アヴァイーFCは現在(9月12日)、ブラジル全国選手権1部、24節終了時で18位と、来年の2部降格圏内に沈んでいる。
1部に昇格したばかりのチームが苦戦するのは世界中のリーグでみられることだ。残り14節で残留ゾーン16位のフィゲイレンセとは勝ち点差4だから、決して逆転不可能な差ではない。
経験不足のチームのセンターバックを務めるジェシの持ち場は、毎試合〃火の車〃状態だ。
取材に訪れた8月16日のコリンチャンス戦も、後半コリンチャンスの決勝点のシーン、ペナルティアークのFWルシアーノに縦パスが通り、前を向いて、得意な足に持ち替えて、ゴール隅を狙ってシュートするまでに2秒もノープレッシャーだった。
当初、マークを怠ったジェシのミスかと思ったが、スローをよく見ると、縦パスをカットするべく、ボランチの選手がスライディングして、わずかに届いておらず、パスが出た瞬間に、受け手のFWとの間合いを詰めるDFにはきわめて判断が難しい状況だった。
さらにはセットプレーからのジェシのヘディングでゴールのシーン、オフサイド判定でゴールは取り消されたが、スローで見るとライン上、つまりオンサイドだった。
翌週のサントスFC戦は、目下絶好調のサントスFCに5失点と蹂躙されてしまったが、ここでチームを空中分解させてはいけない、まとめ役のキャプテンの本領が問われる。
「目標は残留ではなく上位10位入り」と気丈に語るジェシ。「川崎フロンターレ、日本が懐かしい」とやさしく笑うセンターバックも、チームの浮沈をかけ、ラスト2カ月半に突入だ。