7月20日にサンパウロ市の幹線道路、マルジナル・チエテ、同ピニェイロスの制限速度改定が施行されて以来2カ月弱、サンパウロ市交通工学公社(CET)は、両道での死亡事故、負傷事故の発生件数が昨年同期比で36%減少したとの調査結果を発表したと16日付エスタード紙が発表した。
事故の減少は不況により、貨物車を始めとする通行車両の減少も一因と見られ、一概に制限速度を下げた事だけが原因だと言い切れないと見る向きもある。
7月20日から9月13日までのデータを昨年と今年で比べたところ、朝のピーク時の渋滞は21・8キロから19・4キロに11%縮小し、夕方の渋滞は47・7キロから40・9キロへと14%縮小した。
ただ、朝のピークと夕方のピークの間の時間帯の渋滞距離は13・5キロから14・5キロへと7・4%増えたため、終日の平均は24・5キロが22・6キロへ8%の縮小に止まった。
利用者の反応は、「速度制限が変わっても特に変化はない」(タカオ・シュウジ氏・66)、「事故も渋滞も減って快適だ」(サンドロ・アパレシード氏・42)、「バイク利用者のマナーは依然悪い」(ジョゼ・ルイーズ氏・57)など様々だ。
制限速度の引き下げ開始後、サンパウロ市全体の渋滞も6%改善しているが、クレゾ・デ・フランコ・ペイショット交通工学教授は、交通量のデータを参照しなければ、制限速度を下げたから事故や渋滞が減ったとは言えないとし、「景気の落ち込みは昨年より激しく、経済活動停滞で交通量が減り、事故や渋滞が減った可能性もある」と語った。