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三井物産に会社権売却か=PBとの交渉最終段階に

 急激なドル高レアル安で負債が急増しているペトロブラス(PB)が22日、国内で天然ガスを供給する、同社傘下のガスペトロの株式49%を三井物産に売却する方向で最終段階の交渉を進めていると発表したと23日付伯字紙が報じた。
 PBが三井物産にガスペトロの株式売却との話は、7月に三井物産と丸紅がガス・パイプラインの権益売却に入札すると発表した事でPB株が大幅高となった頃から出ていた、今回は、あと少しで交渉成立という段階に入っているという。PBは権益売却額を明らかにしていないが、JPモーガン銀行は19億ドルと推測している。
 PBはまだ、理事会と経営審議会が契約書の内容を審議する必要があるとしているが、三井物産は06年から昨年12月にかけ、傘下の三井ガス(Mitsui Gas e Energia do Brasil LTDA.)を通じて、ブラジル8州のガス供給会社に資本参加しており、実質的にガスペトロの共同経営者となっている。三井物産側は、ガスペトロへの資本参加で安定事業のガス配給事業を拡大する意向で、入札に応じた。
 中国企業を抑えて落札した後の契約成立を決定付けるPBの経営審議会は、今月30日に開催される予定だという。
 PBにとり、今回のガスペトロの株式売却は、今年成立する唯一の大型資産売却となる。PBは16年末までに、燃料配給会社のBRディストリブイドーラや天然ガス輸送会社のTAGの株式、油田の一部、火力発電所などで151億ドルの株式売却を望んでいる。
 PBはドル建て負債が多く、6月以降、負債額が1千億レアル以上増えている。ラヴァ・ジャット作戦による汚職摘発などで経営難が深刻化し、世界一負債を抱える石油企業となったPBが、どの時期にどの位のペースで起死回生するかは国際市場も注目している。