ドイツの名門バイエルン・ミュンヘンで活躍する右サイドバックのラフィーニャ(30)が22日、10月5日から始まるワールドカップ南米予選へのブラジル代表チーム(セレソン)への召集を「ドイツ代表に選ばれたい」ことを理由に拒否を願い出た。
ラフィーニャは17日、ドゥンガ監督からセレソンへの召集を受けた。彼が召集を受けるのは14年5月以来だった。
だが、その5日後の22日、ラフィーニャはブラジル・サッカー連盟(CBF)に対し、「セレソンを辞退したい」との文書を送った。
ラフィーニャはその理由として「自分が召集の常連になるとは思えないし、自分の守備位置の第一選択肢ではない」ためとしている。今回の召集も、レギュラーのダニーロ(レアル・マドリッド)が親善試合で負傷し、W杯時のレギュラーのダニエル・アウヴェス(バルセロナ)も故障中。さらに、このところ常時召集を受けている若手のファビーニョ(ACモナコ)の存在もある。
ドゥンガ監督はラフィーニャを招集した理由を「豊富な経験」と説明した。だが、皮肉にも、ラフィーニャにとっての豊富な経験とは、ドイツ・ブンデスリーガでのもので、それを理由に本人はドイツ代表を狙っている。
「僕はシャルケに5年いて200試合に出場した。バイエルンにも5年いて150試合にもう出ている。10年ドイツにいて、ドイツ語もうまく話せるし、ひどく寒い気候にももう慣れた。家族もドイツで持ったし、親しみがある」とドイツ代表への希望を以前から表明していた。
特にドイツ代表は、14年W杯優勝メンバーのフィリップ・ラームが引退したこともあり、右サイドバックのポジションは、あわよくばといった状態でもある。
それに対し、ラフィーニャのセレソン暦は、2008年の北京五輪の代表にこそなったものの、本セレソンへの召集は2008年に1度と、前述の14年5月だけで、出場試合数も2試合を数えるにすぎない。
セレソンは13年にも、当時のアトレチコ・マドリッドのエースで、現在チェルシーでイングランド・プレミア・リーグ屈指のストライカーであるジエゴ・コスタに、「セレソンで重用されていない」と不満を表明されており、14年W杯の際には「15歳から暮らしていた」との理由でスペイン代表に奪われたいきさつがあった。
CBFはラフィーニャの嘆願書を「尊重する」として受理したが、現時点で代替選手は発表されていない。また、スポーツ関係の裁判を専門としている弁護士のエドゥアルド・カルレッソ氏によると、「ラフィーニャは2005年アンダー20のW杯にセレソンで出場している。この場合、FIFAの定める憲章に反してしまうため、ドイツ代表にはなれない」との解釈を行っている。(23日付UOLサイト、同日付SporTVより)