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ジウマ大統領とテメル副大統領の思惑は?(Lula Marques/Agência PT)
ジウマ大統領とテメル副大統領の思惑は?(Lula Marques/Agência PT)

ジウマ=閣僚改造は次週持ち越し=PMDBを納得させられず=下院とテメルの両肩持ち=PTからも不満が続出

 ジウマ大統領(労働者党・PT)は、閣僚改革に伴う民主運動党(PMDB)の大臣職を決めることができず、またPT内部の反感も買った状態で公務のため米国へと飛び立ち、新閣僚の結論を来週に持ち越すこととなった。25日付伯字紙が報じている。

 ジウマ大統領が、10省庁削減の中、PMDB党員の閣僚数を5人にしたい意向があることは昨日付本紙でも報じたが、ミシェル・テメル副大統領、レナン・カリェイロス上院議長、エドゥアルド・クーニャ下院議長の3人と、同党下議たちの思惑を汲もうとして混乱を広げている。
 大統領は、下議たちの意向も汲むべく、PMDBの下院リーダー、レオナルド・ピッチアーニ氏に民間航空庁と港湾庁を統括する「インフラ相」と保健相とポストを提示し、計7人の下議の推薦をもらっていた。
 だが、テメル副大統領との関係を保ちたいジウマ大統領は、テメル氏と懇意で最近まで政局調整(アルチクラソン)役も担っていたエリゼウ・パジーリャ氏を民間航空庁長官にとどめることにした。インフラ省設置がなくなったことで、港湾局長官には、農務省との統合で役職を失うエルデル・バルバーリョ水産相を異動させる意向だ。
 だが、ピッチアーニ氏はこの決定を不服とし、「もし当初の話が修正されるようなら、推薦した候補は全部引き払わせてもらう」と息巻いた。PMDB下議たちは保健相とインフラ相は是が非でも押さえる意向で、観光相残留が濃厚なエドゥアルド・アウヴェス氏やパジーリャ氏を「PMDB下院選出枠」として認めるわけにはいかないとしている。
 ジウマ氏はルーラ前大統領から「テメル氏、レナン氏、クーニャ氏の機嫌を損ねるようなことはするな」との助言をもらっていたが、それが裏目に出ているようだ。
 また、不満はPMDBのみならず、PTからも上がっている。ジウマ大統領は人種平等政策局、女性問題政策局、人権局を統合した「市民権局」を設置する意向だが、PTは社会問題に関する省庁の削減には強く反対している。
 またPT下議の約半数は、現在のジウマ政権の要であるアロイージオ・メルカダンテ官房長官、ジョアキン・レヴィ財務相、ジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ法相の解任を求めている。
 閣僚改造は遅々として進まないが、皮肉にも24日夜のPMDBのテレビやラジオでの政見放送では、テメル副大統領が「国民は何かある度につけが回ってくるのに飽き飽きしており、解決策を待つのにも疲れている」として、連邦政府の対策の遅れや、増税込みでの経済危機脱出策を揶揄するような発言を行った。