ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 35歳でセレソン電撃復帰=絶好調のベテラン、リカルド・オリヴェイラ
リカルド・オリヴェイラ(Créditos: Nilton Santos/CBF)
リカルド・オリヴェイラ(Créditos: Nilton Santos/CBF)

35歳でセレソン電撃復帰=絶好調のベテラン、リカルド・オリヴェイラ

 サッカーの代表チーム(セレソン)のドゥンガ監督は24日、10月5日からはじまるワールドカップ南米予選のセレソンに関し、負傷したフォワードのロベルト・フィルミーノ(リバプール)に代わり、今年35歳のベテラン・フォワード、リカルド・オリヴェイラ(サントス)を召集すると発表した。
 この報は「35歳のベテランを招集」との見出しで、日本を含む多くの国で報道され、世界のサッカー・ファンの話題となった。普通、35歳という年齢での召集は世界的に見ても多くはなく、選出されていても引退を考える頃だからだ。
 また、ファンの中には「なつかしい」という声もあがった。それは彼が2000年代半ばにスペインのヴェティスやイタリアの名門ACミランでプレーしたのを覚えている人が少なくないためだ。その頃はセレソンでもロナウドやアドリアーノ、ロビーニョらの控えとして招集されており、今回は実に8年ぶりの召集となる。
 この召集に関し、「今のブラジルのフォワードにはこうした人材しかいないのか」との反応もないわけではなかった。だが、こと、今季のリカルドのブラジル国内での活躍振りは、とてもそんな「昔の人」のものとは思えない。全国選手権では27節が終わった現時点で17得点を記録し、2位のジャジソン(コリンチャンス)の11点に大差をつけて得点王争いを独走中。全国選手権の前、今年の前半に行われたサンパウロ州選手権でも、11得点をあげて得点王になっている。
 今季、出場の51試合中30点を決めているリカルドだが、この年齢になってまだこのような活躍が出来る秘訣は、彼のこの数年の成績にある。リカルドは11~14年にアラブ・リーグのアル・ジャジーラ、アル・ワスルに在籍していたが、ここで彼は101試合の出場で71得点、実に1試合平均0・7得点という高い数値を記録していた。
 今年サントスに加入してからも、彼の半分ほどの年齢の18歳のストライカー、ガブリエルと息のあったプレーで得点を量産中。その活躍がドゥンガ監督の目に止まった形だ。今回のセレソンにはリカルドとプレーするサントスの司令塔、ルーカス・リマが選出されているのも、彼にとっては強みだ。
 この選出の報を受け、リカルドは自身のフェイスブックに「この喜びをなんと表現すればいいんだろう。また、国旗と同じ色のユニフォームを着て国の代表として戦うことができるのは、とてつもなく大きな誇りだ。サントスの同僚やファン、家族、そして僕にカナリアのユニフォームを再び着させてくれる舞台を用意してくれた全ての人たちに感謝したい」と喜びを爆発させている。
 今回の召集はネイマールの出場停止という非常事態でめぐってきたチャンスだが、8日の対チリ戦、13日の対ベネズエラ戦で元気なベテランの味を生かす機会があるか、見ものだ。(25日付フォーリャ紙などより)