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フリーダ・カーロの展示会での風景(André Tambucci/Fotos Públicas)
フリーダ・カーロの展示会での風景(André Tambucci/Fotos Públicas)

フリーダ・カーロ展示会に長蛇の列=サンパウロで止まらぬ展示会ブーム

 サンパウロ市西部のトミエ・オオタケ美術館で、25日よりメキシコが生んだ20世紀の大画家、フリーダ・カーロの展示会がはじまり、連日、記録的な賑わいをみせている。
 フリーダ・カーロと言えば、中南米を代表する歴史的な女流画家だ。名前を聞いたことのない人でも、「メキシコの民族衣装を身にまとった眉毛の太い女性の絵」と聞けばピンと来る人も少なくないはずだ。
 今回の展覧会は、30作品持ち込んだ彼女の作品のうち、10作品がそのおなじみの自画像であることからサンパウロ市民の好奇心も高まっている。その中でも特に有名な「猿と一緒の自画像」や「ディエゴ・エン・ミ・ペンサミエント」いった作品が目玉となっている。
 また、フリーダが絵の中で実際に着た貴重な衣装の展示も行われ、注目されている。
 展覧会は25日(金)にオープンしたが、この日は平日であったにもかかわらず、4千人の動員を記録している。また、日曜の27日には、実に7千人もの記録的な動員を記録している。
 フリーダと言えば、その印象的な肖像画のほかに、若い頃、交通事故で負った傷で子供が生みにくい体になりながらも、夫を愛すあまり、3度の妊娠と流産を繰り返したり、政治運動に傾倒し、ソ連を追われた革命家のレフ・トロツキーと恋愛関係を持ったりなど、その波乱万丈の人生でも知られている。その生涯は映画「フリーダ」でも描かれ、広く知られるところとなった。
 今回の展覧会では、フリーダのほかに、レオノラ・カリントンやレメディオス・ヴァーロ、マリア・イズキエルドなどといった、フリーダと同時期に活躍したメキシコの女流抽象画家の作品の展示も行い、フリーダの絵画を生み出したメキシコ絵画の歴史背景を垣間見せる興味深い工夫もなされている。
 ここ数年、サンパウロでは、美術館や博物館が国際的知名度の高い展示を行い、市民が長蛇の列を作って話題を呼ぶ傾向が強い。2012年にはサンパウロ美術館で開かれた、ルネサンス絵画の大家カラヴァッジオの展覧会が話題を呼び、昨年はピナコテカ美術館でのハイパー・リアリズムの彫刻家ロン・ミュエクの展示会もブームとなった。
 また、昨年のサンパウロ映像美術館では、「2001年宇宙の旅」「時計仕掛けのオレンジ」などで知られる鬼才映画監督スタンリー・キューブリックや、ロックスターのデヴィッド・ボウイの展示会でも連日かなりの人の波でにぎわっていた。(27日付エスタード紙サイトより)