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25日のトリ、スリップノットのステージ(Alexandre Macieira | Riotur)
25日のトリ、スリップノットのステージ(Alexandre Macieira | Riotur)

ロック・イン・リオが終了=出演者の選択に大きな課題

 27日、計7日間にわたって繰り広げられたロック・フェスティバル、「ロック・イン・リオ」が終了した。既に2017年、19年の開催決定も発表されているが、今年のフェスは「会心の出来」という印象が残らなかった。
 その理由となったのは、「アーティストの選出」だ。この点はリオのライバル都市、サンパウロの新聞、エスタード、フォーリャ両紙が徹底して叩いたところだ。今回の目玉出演者の顔ぶれは、2011年のフェス出演者との重複が目立っており、「今年新たに加わった新顔」は、今年のグラミー賞最優秀レコード賞、新人賞を受賞したサム・スミスくらいしかいなかった。
 また、ロックの歴史を作って来た50~70代の大ベテラン・アーティストを集めたかと思えば、その一方ではケイティ・ペリーやリアーナといった10~20代のポップ系の歌手を集め、その間の世代はすべて激しめのへヴィ・メタルで埋めるという、大雑把で極端な出演者の顔ぶれにも批判が集まった。
 「ロック」ということで言うなら、30~40代はメタルだけが好きな世代では決してないし、10~20代向けにも人気のロックバンドが存在する。今回のフェスは、そうした音楽リスナー層に対する配慮があったとは正直言いにくいものだった。
 また、日によって、観客層を分離するでもなく、同じ日に中途半端にベテランと若手を混ぜていた。最終日のトリは、10~20代の女性に人気のケイティ・ペリーだったが、その前にa―haやアル・ジャロウといった、人気のあった時代がケイティのファンが生まれるはるか前のアーティストが登場し、観客がどう反応していいのかわからず当惑しているとの報道も多く見られた。
 こうした内容的な批判も多かったロック・イン・リオだが、それでも出演者発表前にチケットのほとんどが売り切れた人気イベントであることは変わらず、この先、2回の開催も正式発表されている。
 28日付エスタード紙による同フェス主催者、ロベルト・メジーナ氏への論調は相変わらず厳しく、「今度のロック・イン・リオには(13年版に出演した)ブルース・スプリングスティーンを呼びたい」とのコメントを目立つように抜き出し、「(ポルトガル版、アメリカ版に続いて)今度は中東版のロック・イン・リオを作りたい」といった、内容よりも営業展開を優先する同氏の言葉を強調して載せていた。(28日付エスタード紙などより)