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リオ市長=運転手に扮し市民と交流=忌憚ない市政への意見聞く

 エドゥアルド・パエス、リオ市長(民主運動党・PMDB)は2週間前からタクシー運転手に扮してリオの街を走り、市民の声を聞いていると9月30日付フォーリャ紙などが報じた。
 リオ州限定で10月7~12日に放送される同党のキャンペーン映像を録る目的で始まった企画で、全国向けの放送には出ていない同市長が、同党のキャンペーンに初めて登場する事になる。
 五輪開幕まで1年を切り、五輪関連工事の遅れや工事渋滞などで低下した支持の回復につなげたい市長は、市民の自由な意見を引き出すための企画に大賛同で、運転手に扮した市長が何も知らずに乗った乗客の意見や苦情を聞き、質問にも答えるという企画は、録画終了後も続ける意向だ。
 「北西部の人は公共交通機関を使う事が多いのに、(北西部の)マドゥレイラやオズワルド・クルス地区では西部に行くお客を沢山乗せたよ。北西部と西部をつなぐバス路線を増やさないとね。(比較的裕福な)市内中央部や南部は渋滞が問題だった」と語る市長は、今後も市民の生の声を聞くために、カメラは使わずにお忍びタクシー運行を続けるという。
 セルジオ・カブラル前リオ州知事の失脚後、パエス市長はPMDBにとり、18年大統領選をうかがうために最初に名前が挙がる人物で、少なくとも次期州知事選への出馬は確実視されている。
 「ブラジルでは公権力の座にある人々が市井の人々と距離をとる習慣があるが、私はサンバに出かけたり、街角のバールに行ったり、妻と普通のレストランで食事したりしてこの習慣を打破しようとしてきた」と語る。
 同市長はタクシー運転手としての免許を持っていないが、最後は正体を明かし、運賃も取っていないので問題はないとしている。