ホーム | ビジネスニュース | ペトロブラス=ガソリン6%値上げへ=今年に入り初の価格調整=インフレ率上昇は不可避
ベンジーニPB総裁(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)
ベンジーニPB総裁(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

ペトロブラス=ガソリン6%値上げへ=今年に入り初の価格調整=インフレ率上昇は不可避

 ペトロブラス社(PB)は9月29日夜、9月30日からガソリン価格を値上げすると発表したと9月30日付伯字各紙が報じた。
 これは今年2月にアルデミール・ベンジーニ氏が総裁に就任して以来、初の値上げで、ガソリンが6%、ディーゼル油が4%の上昇(共に精油所の出口価格)となる。
 この値上げはPBが市場に向けて、同社が燃料価格を左右できると示すメッセージだ。7月に「我が社は燃料価格を決める権限があるし、今後ともそうだ」と同社幹部がフォーリャ紙(F紙)に語ったようになった。
 アナリスト達は年内のガソリン値上げはないと予想していた。政治の不安定さ、大統領支持率の低さ、景気低迷などが値上げの決断を押しとどめると思われていた。
 燃料価格の高騰は、輸送費の上昇を意味するため、自動的に全ての商品の値段が上がることにつながる。この事は、中央銀行(BC)によるインフレ目標達成も困難にさせるものだ。
 15年内の予想インフレ率は9・46%で、既に許容目標範囲である「4・5%、増減2%以内」を上回っており、来年度の目標達成にも黄信号が点っている。
 ガソリンスタンドでの給油価格の調整は各スタンドに任されており、新しい価格で供給されたガソリンがスタンドに付き次第、価格を改定するのがこれまでの常だ。ガソリンスタンド組合によると、最近のガソリンスタンドでの値上げ幅は、精油価格の上昇率より若干低かったという。
 前回のガソリン価格改定は昨年の11月、統一選でジウマ大統領が2期目の任期を確定させた11日後の事だった。その時はガソリンが3%、ディーゼル油が5%値上がりした。
 以前は、PBの主要株主である政府は、インフレ圧力となる事を嫌い、PBによる自由なガソリン価格値上げを認めていなかった。
 しかし、現在のPBは財政状況が悪化し、ムーディーズ、S&P社に投資適格性を格下げされた上、債務の73%をドル建てで抱えているためにドル高ショックも大きいため、ガソリン価格値上げもやむなしと政府は判断した。PBは6月末現在で1400億ドルの負債を抱えており、米ドルはその後さらに対レアル比32%上昇している。