連邦警察が9月29日、ボリビアなどからブラジル北東部を経て、欧州に至る国際的な麻薬密売組織解体のため、8州にまたがる「カルドゥーメ作戦」を行った。
ブラジル国内8州で230人に及ぶ警察官を動員して行われた作戦は、ボリビアやパラグアイで生産されたコカインをセアラ州とリオ・グランデ・ド・ノルテ州に持ち込み、欧州にも売り捌いていた麻薬密売組織を摘発するためのもので、同日は1トンを超える増量剤やコカイン押収、三つの麻薬精製所封鎖といった成果を見た。封鎖された精製所の一つはポルトガルにあり、リスボン警察麻薬課の応援も仰いだ。ポルトガルの精製所ではカシャッサのビン660本と50キロのコカインが押収された。
この密売組織は少なくとも四つの核となるグループからなり、月々100万レアルを動かしていたとされる。
また、リオ・グランデ・ド・ノルテ州に持ち込まれた麻薬は、パライバやペルナンブコといった国内の州に売り捌かれていたという。セアラ州に持ち込まれた麻薬は、カシャッサのビンにつめてポルトガルやイタリアなどに輸出されていたと見られている。
マット・グロッソ州と南マット・グロッソ州には、ボリビアなどから小型機で届く麻薬を国内に配送するグループがおり、改造したトラックの荷台や燃料タンクなどに隠して輸送していた。
また、サンパウロ、ミナス・ジェライス、パラナ、リオ・グランデ・ド・スルの各州には、密売で得た金を国外送金したりするマネーロンダリング(資金洗浄)担当班がいるという。
連邦警察では、セアラ州では、国際的な麻薬売買に関係した人物7人が逮捕されたが、裁判官や弁護士に金を渡して釈放されており、法的許可の売買に関わったと見られる裁判官や弁護士摘発のための捜査や証拠押収なども行われた。
同日は15人の身柄が拘束され、13人が一時逮捕となった。事情聴取のために警察に出頭するようにとの命令は22人に出ており、家宅捜査や物件押収が51カ所で行われたほか、関与が疑われる人物や企業の資産と118に及ぶ銀行口座の差し押さえも行われた。高級車15台、武器の不法所持や薬物所持などによる逮捕者は皆、セアラ州とリオ・グランデ・土ノルテ州に集中していたという。
なお、この作戦に関する捜査は2013年の10月から始まっており、今年5月には、関与が疑われる人物と接触していた軍警を連邦警察官が尋問しようとしたところ、それに気づいた私服軍警が仲間を助けようとして発砲したために、軍警と連邦警察官の間で銃撃戦が起き、軍警の一人が被弾、複数の仲間が逮捕されるという事件も起きていた。(29日付アジェンシア・ブラジル、フォトス・プブリカス、G1サイトなどより)
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