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竣工の記念プレート除幕式で(Eduardo Saraiva/A2IMG)
竣工の記念プレート除幕式で(Eduardo Saraiva/A2IMG)

ビリングスからの送水開始=取水用ポンプは天然ガスで

 サンパウロ州で水危機が叫ばれ始めてから1年半後の9月30日、リオ・グランデ水系のビリングス湖からアウト・チエテ水系のタイアスペバ貯水池への送水が始まったと1日付エスタード紙が報じた。
 ビリングス湖からの送水量は毎秒4千リットルで、高密度ポリエチレンの管2本を経て、タイアスペバ―ミリン川に放水された水が貯水池まで流れ下る事になる。
 送水開始は5月の予定だったが、工事が遅れたため、9月に延期されていた。竣工式は30日朝9時からの予定だったが、同日未明に各11キロに及ぶ配管の2カ所で水漏れが見つかって、修理が必要となり、プレートの除幕は午後5時23分に行われた。
 ジェラウド・アウキミン知事は「まだ9月30日」と発言し、輪番制の給水制限回避のための主要対策の一つで1億3千万レアルを投じた両水系の連結と送水開始が、期日内に行われた事を強調した。
 両水系を繋ぐ事業は、ビリングス湖内のリオ・ペケーノ水系に属する部分から、リオ・グランデ水系に属する部分に毎秒4千リットルの水を送るための工事を持って完成するが、この工事は10月に終わる見込みだ。
 1日現在の貯水率が15・2%と非常に厳しい状態にあるアウト・チエテ水系は、昨年から、従来はカンタレイラ水系から給水していたサンパウロ市東部や北部、グアルーリョス市、サンカエタノ市にも支援給水しており、水位低下が著しかったが、今回の送水開始と雨の季節に入る事で、状況が改善される見込みだ。
 ビリングスからの送水のための工事は環境許可の問題などが指摘されているが、サンパウロ州水道公社は30日、この送水事業では、取水用ポンプを動かす燃料にディーゼル油ではなく、天然ガスを使うなど、環境にも配慮している事をアピールした。