9月30日、世界的な人気映画シリーズ「ハリー・ポッター」のブラジル吹き替え版で、主人公ハリーの声をつとめた声優のカイオ・セーザルさん(27)が亡くなったが、その原因は予期せぬものだった。
カイオさんは声優として働いていたが、その後は軍警に転身。軍警ではリオ市北部の犯罪地区として悪名高いアレモン地区にある平和駐留部隊(UPP)の一つのファゼンディーニャの部隊に配属されていた。
亡くなった当日、カイオさんはアレモン地区をパトロール中、他の4人の軍警たちとともに犯罪集団に襲われた。その中で、カイオさんだけが銃弾を浴びてしまった。
カイオさんは病院に運ばれ手術も受けたが、そこで息絶えてしまった。
カイオさんは幼い頃から声優の仕事をしており、99年には主演のロベルト・ベニーニがアカデミー賞主演男優賞を受賞し、作曲賞や外国語映画賞も受けたイタリア映画「ライフ・イズ・ビューティフル」で、ベニーニ扮する主人公の息子の少年の声をつとめたことで注目された。
2001年からは、「ハリー・ポッター」でのハリー役をつとめており、1作目の「賢者の石」(01年)から、最終作の「死の秘法PART2」(11年)までの全作でハリー役をつとめあげた。
カイオさんの訃報を受け、ハリー・ポッターを見て育ったブラジルの若者たちはネット上のコミュニティで次々と追悼のコメントを寄せた。
また、「ハリー・ポッター」原作者のイギリス人作家、J・K・ローリングもイギリス時間の1日14時39分に、約560万人のフォロワーがいる自身のツイッターで「ブラジルでハリーの声優をつとめてくれたカイオ・セーザルさんが27歳の若さで亡くなったと聞いて、悲しみに打ちひしがれています。ご遺族の方々にお悔やみ申し上げます」とのツイートを行っている。(1日付G1サイトなどより)